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2006年01月21日
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カテゴリ: クラシック音楽
 昨日サントリーホールでカリンニコフの交響曲第1番とショスタコーヴィチのオラトリオ「森の歌」という大変珍しい曲目を聴くことが出来た。演奏は東京フィル、指揮はロシアの重鎮フェドセーエフ。

 カリンニコフは僅か35歳で夭折したロシアの作曲家。チャイコフスキーとほぼ同じ時代に生き、交響曲を2曲と幾つかの管弦楽曲を遺したが、あまりにも早く亡くなってしまったため、その作品はほぼ忘れ去られていた。

 しかしこの交響曲第1番は素晴らしいメロディに満ちあふれた傑作だ。第一楽章から、初夏のロシア平原に吹く爽やかな風のような旋律が聴く者を捉えて離さない。第二楽章の静かな叙情、第三楽章の躍動感、そして光り輝く最終楽章。この曲はもっと聴かれてもいい。

 フェドセーエフの指揮は第一楽章が遅く始まり、終楽章が早い。これにはかなり違和感を感じていたところ、隣に座っていた方がなんとこの曲のスコアを持って聴いていたため休憩時間に聴いてみた。

 すると、第一楽章の指示はアレグロモデラートだから確かにスコアの指示よりは結構遅く、逆に終楽章はアレグロの指示なのにそれよりも駆け足ですね、とのことであった。彼によればこれはいわゆる「フェドセーエフ流」で、他の曲でも彼は殆どこうしている、とのことだった。そりゃあもはや重鎮ですからやりたいようにやるんでしょうけれども、ちょっと最後はもう少しタメが欲しかったなあ、というのが素直な印象。

 そしてオラトリオ「森の歌」。これは第二次大戦後、スターリンの国土改造計画に伴う国威発揚のためにショスタコが無理矢理書かされた、(スターリンが喜ぶ曲を書かなければ命の危険があった)ということになっている「ワケあり」曲。

 テノール・バリトン独唱、混声合唱、少年合唱による壮大な「共産党賛歌」はある時は素朴に、またある時は強烈に聴く者の魂を揺さぶる。歌詞さえ差し替えればそれなりの名曲だと思う。(歌詞はショスタコの作ではない)

 簡単なあらすじとしては、「戦争で国土は荒廃してしまったが、人民が一丸となり力を合わせて農作業や植樹に汗を流した結果、こんなに肥沃な大地が復活した。共産党とスターリンの指導のお陰です」というもの。

 全体は7つに分かれているが、終曲が凄い。大地は見事に復活した、労働者の勝利だ、共産党よ有り難う、スターリンよ有り難う(初演時は固有名詞があったらしいが、彼の死後削除された)のオンパレード。



 当然ながら初演は大成功、翌年この曲は名誉ある「スターリン賞」を受賞し、ショスタコーヴィチは再び国家英雄に返り咲く。しかし彼は初演後帰宅し、ベッドに突っ伏して声をあげて泣いた、という言い伝えが残されている。

 この曲はその内容からさすがに現在のロシアではもはや演奏されないタブー曲になっているらしい。たしかに歌詞はトンデモな内容だが、曲自体はなかなか聴き応えがあった。フェドセーエフの指揮も熱意に溢れ、曲自体の良さを十分に引き出していたと思う。



楽天ではこの演奏で。
アシュケナージ/カリンニコフ:交響曲第1番&第2番
アシュケナージ/カリンニコフ:交響曲第1番&第2番





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最終更新日  2006年01月21日 18時52分00秒
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