CSI :Miami Files Annex

CSIマイアミ 10-13 Terminal Velocity

(2)

『100人の我が子』

マイアミは今シーズン話数を減らされているのですが、どのエピソードも粒ぞろいだなという印象です。このエピソードも、スカイダイビングからテンション高く始まり、科学捜査を進めるうちに話は意外な方面に展開して、とても興味深かったです。
ゲストのGrant Gustin君はGleeで注目の子ですね。

スカイダイビングというと本家ベガスでもありましたね。撮影も当然一緒にダイビングしたのでしょうね。そして、ここは「墜ちる」事を予想することになります。（爆）
男2人、陽気に飛び出して空のレジャーを満喫していたところ、Kevin Ramseyのパラシュートに不具合が起こり墜落してしまう。ラッシュアワーの道路に墜落したため、Horatioはちょっとご機嫌斜め。
"Ladies & gentlemen, Clear the Scene !"と叫びながら登場。いろいろ現場を見てきたHもつい「OMG!」と漏らしてしまいます。
全身の骨が折れてまるで「ビーンバッグみたい」で、パラシュートを繋ぐサスペンションラインが何かで焼き切れている事が判ります。案の定、背中のパックの中は酸のような物質が仕込まれており、それでサスペンションラインが変質したらしい。これは殺人だ。
Kevinとペアで飛び降りたGreg McCallisterは近くの木に引っかかっていた。
パラシュートを詰めてチェックするのは本人だという。聞きたいことだけ聞いたHはさっさとその場を立ち去る。

RyanはKevinが装備していた高度計が3010フィートを告げている事に気づく。今週はRyanの活躍が多かったです。
3000フィートというとスカイダイビングとしては、安全だけれどもパラシュートを開くには低い方なのですね。昨今のオイル高では、高く飛ぶとお金がかかってしまう。そもそも、スカイダイビングは金のかかるスポーツだと思いますが。
パイロットのArnie Tishは逮捕される時に、Kevinが最近車を荒らされていたと言う。Kevinの車はフェラーリ。
CSIマイアミが始まった頃、マイアミは自家用飛行機を持っていたり、スケールの違う金持ちがたくさん住んでいる土地という描写がありましたが、正にKevinもそういう階級の人間だというわけですね。
車をだめにした犯人の皮膚が残っていたことからDNAを調べると、子供のいないはずのKevinの息子、Cameron Lockeと判った。19歳だが公然わいせつで捕まった前歴があるらしい。
驚くべき事に、CameronはKevinがドナーとなって生まれた「精子バンクキッズ」の一人で、本来なら秘密であるべきドナーの名前をインターネットで知ってしまったのだという。不妊治療クリニックでは子供同士が交流できるようなシステムもあるらしい。さすがアメリカ。
子供たちは生物学上の父親がいることを知ると、やはり会いたくなる。そういえばERでDr.モリスがそういうエピソードがありましたね。
しかし、会いに行ってもKevinはけんもほろろの態度で追い返そうとする。Cameronは自分よりもフェラーリが大事なのかと思い、車を傷つけた。でも殺してはいない。
今週もWalterとRyanのじゃれ合いが楽しいですね。
Walterはスカイダイビングなんて滅相もない。パラシュートは墜落しそうなときに使う物だという。
「なんだよ、お前いつまでも甘チャンだな。統計的には安全だぜ。」「じゃあKevinに安全かどうか聞いて見ようか？Kevin ? あ、ほんとだ。Kevinもう死んでる～」「Walter、まだこれからだよ。（Too soon)」

ちなみにDVDのカットシーンで、2人がスカイダイビングするシーンがありましたが、これってもしかして妄想シーンのつもりだった？（爆）
KevinのTシャツに付いていた唾液から、また別の精子バンクキッズが見つかった。
一体何人くらいKevinのDNAを受け継いだ子供がいるのかというと、何と103人もいる！
これはちょっと問題なのでは？
たまたま同じ父親をもった子供同士、知らずに出会って恋愛するかもしれないし、これに関して何か規制はないのでしょうか。

奥さんは夫よりも年上で結婚したときから子供は欲しくないと言っていた。なのに…
Kevinの種による子供の中に、彼を悪く言うScott Ferrisがいたので話を聞く。実は母親のJillは、ドナーの名前は知らないのですね。ちなみに母親役は「Law & Order」や「Heroes」のElisabeth Rohm。
キャリアウーマンというイメージがしますね。
Scottの場合、意外にもKevinとは友好的な出会いをして何ヶ月も会っていないという。しかも、今日のアリバイもある。それなのに、なぜ？
もちろん、答えは常にHoratioが知っています。「一卵性双生児だ」（爆）
そのはずはない、と答える母親は仕事を優先して子供は代理母に産ませていたのですね。
この辺からアメリカの出産に関わる現状が垣間見えてきます。日本じゃこういう事は無理ですよね。
Scottを産んだAmy Burtonは何と14回も子供を産んだという。安産で、人のために子供を産むのは天命だと考えている。
しかし、依頼主が知らないことを良いことに双子を産み、その一人Trentを手元に置いて育ててきた。こうなると親子とは何なのか、ということになりますよね。
運命の双子はお互いに初めて見る相手に驚きつつ、何かの繋がりを感じているようです。
Trentはつばを吐いたことを認めるが、実はウィルソン病という遺伝性の肝臓の病気であることが判る。
貧しい家庭にいるTrentとしては、最後の手段としてKevinに肝臓移植を願うしかなかったという。ここですぐに、じゃあScottに提供してもらえば良いじゃないかというところですが、置いておいて。（笑）
一方、Kevinは次々と子供たちが現れては父親として何かを求められるために、その責任はないと拒絶することになる。
改めて親の責任は何なのかと考えさせられますね。そもそも、遺伝性の病気を100人以上の子供に伝えてしまったKevinの責任は問われないのか？
とりあえずKevinは刑務所で治療を受けられると思ったのか、自分が殺したと自白してしまう。
CSIはKevinをドナーとして登録したクリニックの責任を追及するが、すでにそのことで何者かが苦情を言い、今日ラボに保存されている精子を破壊してしまったという。
ラボを荒らした犯人は特殊な薬品で指紋を残さないようにしていた。その薬品を知っているのは飛行機のメカニックなどだというので、HとEricがパイロットのArnie Ticeのところに向かう。
ここはなぜか凶悪犯じゃないけれど、たっぷり時間を取り、義兄弟の捕り物劇になっておりました。やっぱり銃を構えるHoratioはドラマに不可欠ですよね。（笑）
実はArnieもKevinの子種で娘をもうけ、その子をウィルソン病で失っていた。急にHの表情が曇ります。
Arnieは病気があるのにドナーとなったKevinを恨み、高度計に細工をしてKevinにダイビング失敗をさせようとした。
ところが、2人が勝手に飛び降りてしまったためにこのもくろみは失敗、パラシュートについては触っていないという。
では、一体誰がKevinのパラシュートに酸を仕込んだのか？今度は偶然がヒントとなりました。
化学物質を扱う部門だけに、危険もあります。ああ、白いお肌に傷が。Calleighは今週はラボオンリーでしたね。
Kevinとの通話歴から名前の挙がった少女は、Meredithに自分がキッズであることを告白した事を認める。妻は夫が結婚後隠れてドナーをしていたことを知ってしまったのだった。（始めからこの子を調べていれば良かったのに）
実は妻は子供を望み、夫は望まず、気ままな結婚生活をエンジョイしていた。「私の大切な時間を彼はムダにした。」
冒頭のKevinのテンションの高さやフェラーリの理由がわかります。
パイロットは拘束されたままで、今後何らかの処分があるのでしょうか。でも、Horatioは娘の写真を手渡して、許しを与えていましたね。子供を失う悲しみからの行動はHには理解できます。
そしてNataliaはScottとTrentと、それぞれの母親を同じ車に乗せて帰すことにした。これもまた粋な計らいです。
同じDNAを持つ兄弟、生物上の母親、産みの母親。
よく見ると、CGで2人のシーンを合成しているのが判りましたが、なかなか興味深い場面です。
大人たちが何を争おうと、ScottとTrentがこれから本当の家族として絆を持ち続けてくれると良いですね。
生殖科学の発展に問題を投げかけたエピソードでした。
ところで、あの木にぶら下がっていた男はちゃんと助けられたのでしょうか。（笑）