大蔵省と農水省の攻防は、政治の介入、とりわけ自民党の大物たち
の介入によって、農水省の圧勝に終りました。
しかし、経済の論理を政治介入によって捻じ曲げたことは、後々大
きなツケとなって帰ってくることになりました。
農協系は農水省の管轄下にありましたが、貯金業務を扱う金融機関
ですから、住専への融資のかなりの部分が回収不能となり、経営が
揺らいだならば、その時点で預金者保護を掲げて公的資金=税金を
投入することは可能でした。そうしなかったのは、農協系の幹部で
ある地方名士の体面を保ち、今後の選挙でも選対幹部を務めてもら
う必要がある代議士たちの、選挙対策の面を強く持っていたので
す。
そのため、預金者保護と無関係な住専の処理に税金を投入するとい
う、経済原則を無視した解決法が出てきたのです。当然ながらこの
案は、世論の強い反発を招きました。世論と野党、さらにはマスコ
ミの厳しい追及を受けた政府は、住専処理策を含む予算案を成立さ
せるために、苦し紛れの追加策を発表しながら、「住専を処理する
ことさえ出来れば、金融危機は解決する。今後については、金融危
機の解決に公的資金を使う必要は、一切ない」と自信もないのに強
調せざるを得なかったのです。
ご承知の通り、金融危機の本丸は97~98年にやってきました。あの
時、なぜ、拓銀や長銀に公的資金=税金の投入が出来なかったの
か。投入出来ていれば、1兆円近い公金を継ぎこんだ長銀を、僅か
10億円でリップルウッドに売却する必要など生じなかったのです。
あの当時金融収縮に悩み、資金的余裕のなかった日本の大銀行は、
いずこも10億円の資金を投入する余裕すらなく、みすみすリップル
ウッドに大きな儲け話が攫われるのを、指を加えてみているしかな
かったのです。
それもこれも,住専処理策で、世論とマスコミに徹底的に叩かれた
政府・自民党と大蔵官僚が失態に萎縮し、公的資金=税金の投入を
タブーとしてしまったからでした。
一つのミスが致命傷を呼び寄せてしまったといえましょう。
続く
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Sent: Wednesday, September 26, 2007 10:23 AM
Subject: 26日の日記
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