ザビ神父の証言

ザビ神父の証言

2010.03.23
XML
カテゴリ: 外国史
ハイチに贈る(64)

フランスの植民地派遣軍の戦況については、派遣軍総司令官のルクレールが本国の知人に宛てた書簡から、読み取ることが出来ます。彼は日を追うごとに悪化する戦況を、赤裸々に記述しています。

その一例として、1802年9月19日付けの書簡の1部を次に記します。
「流行病(黄熱病は当時はまだ知られていませんでした)が再び猛威を振るいだし、毎日100~120人が犠牲になっています。…… 防衛のためには、全ての糧食を放り出し、大半の労働者を抹殺せざるを得ないでしょう。つまり、多数の兵力の損耗を覚悟して、殲滅するか、されるかの殲滅戦を展開せざるを得ないのです。」

「我が植民地部隊の大半は、脱走して反乱軍側に寝返ってしまいました。約束済みの援軍とは別に、1万人を派遣するよう政府に伝えてください。…… さもなくば、植民地を失うことになるでしょう。私は真実を申し上げております。…」

「グァドループで奴隷制が復活したというニュースによって、黒人たちに対する私の影響力はすっかり無くなってしまいました。私の後任問題もお忘れにならないで下さい。… 私はこの国を離れることを真剣に考えております」

「私は、これ以上ここに留まりたくありません。この不幸な土地に赴任して以来、私には心休まる時は、全くありませんでした。」

これが、フランスの植民地派遣軍の最高司令官の言葉なのです。ここまで総司令官が弱気になっているのですから、戦勝などは既にして遠い夢となっていることは、疑い用のない事実だったのです。

そして、ルクレール将軍自身も、1802年11月2日に、黄熱病に罹患して死去しています。ナポレオンのハイチ革命抑圧方針の破綻は、もはや誰の眼にも明らかでした。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2010.03.23 21:22:08
コメント(6) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

ザビ神父

ザビ神父

カレンダー

お気に入りブログ

お墓を写したフイル… New! 歩世亜さん

「一天にわかに掻き… New! でぶじゅぺ理さん

愛知県春日井市  … New! トンカツ1188さん

自然のはしくれメモ_… New! わからんtin1951さん

我が家の熱中症対策。 New! naomin0203さん

コメント新着

でぶじゅぺ理 @ Re:石破辞任(09/09) 明けましておめでとうございます。 本年…
葉月 生 @ Re:ご無沙汰しました(08/15) 神父さま お帰りなさいませ。 1ヵ月に1回…
kopanda06 @ Re:石破辞任(09/09) お久しぶりです。 降雨の中、高見観音の…
吉祥天2260 @ Re:石破辞任(09/09) どの人見てもなんだかねぇ・・・ 国のこと…
わからんtin1951 @ Re:石破辞任(09/09) テレビを観ていると、総裁選のことばかり…

バックナンバー

・2026.07
・2026.06
・2026.05
・2026.04
・2026.03

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: