ザビ神父の証言

ザビ神父の証言

2010.04.14
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カテゴリ: 国際経済
世界経済の現状(119)

本日の日経朝刊7面に「正念場の米住宅市場(下)」という記事が載っています。連銀による(この背後にFRBがいます)MBSの買い入れについて書いているのですが、買い入れた1兆2千5百億ドルが、全て昨年発行されたばかりのMBSだと記されています。

すると、過去に発行されたMBSは何処に行ったのでしょう。住宅価格の高かった時代に発行されたMBSが、償還される事はありえません。大きく値下がりして連銀意外に何処にも買い手が存在しないのですから、連銀が買い入れたMBSは、他に誰も引き受け手のないMBSが中心なのです。

それに、不人気なMBSを組成して発行したとして、いくら美味しそうなことを並べても、市場が相手にしてくれないことは明らかです。MBSがまともに発行できる環境など、今の米国にはありません。ですから連銀のやったことは、金融機関の持つ不良債権を隔離し、連銀が質の悪い資産を大量に抱えたという点にあります。

この状態で国債の金利が上がったらどうなるか。既発の金利の低い国債は、売られて値を下げます(その分金利は上昇)。となればドル暴落の悪夢が現実化するでしょう。日本と同じように米国もまた必死になって低金利を維持すているわけは、ここにあります。

米国でも歴史的な低金利が続く背景がここにあります。金利が上がれば、ドルは買われると考えるのが普通ですが、現状ではそうはいえないのです。金利上昇は、ただちに連銀の抱えるMBSの実態価値の暴落を、誰もが連想するからです。金利の上昇に耐えられない質の悪い資産を、連銀が大量に抱えているのです。中央銀行がこの体たらくなのですから、ドルの価値が下落するのは、当然の成り行きになります。そこに、

昨年来オバマ大統領の下で、米国政府は1990年代に日本が選択したのと同じ方針を、採り続けています。不良資産を思い切って処理するのでなく、時間をかけてゆっくりと処理しようというのです。将来的にゼロになりかねない時限爆弾を、大量に抱えているのです。

そして金融機関はどうしているのでしょうか。
                            続く





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最終更新日  2010.04.14 21:40:53
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