ザビ神父の証言

ザビ神父の証言

2015.08.26
XML
カテゴリ: 日本史
クロニクル シャウプ勧告出る

1949(昭和24)年8月26日

66年前のことです。この日、来日中のシャウプ博士を中心とする使節団が、日本の税制改革に関する勧告文をまとめ、その概要をGHQに提出しました。勧告の全文は、9月15日に公表されましたが、日本語で10万字に及ぶ長文でした。

それまでの日本の税制は地租を中心にしたものでしたが、これを所得把握を徹底した上で、個人及び法人の所得税を中心とした税制に改めること、不動産税(固定資産税として実現)や住民税といった地方に固有の税源を配備することの2点が勧告の中心でした。

その後、1989年に大型間接税としての消費税が導入され、特に富裕層の所得税と法人(所得)税が軽減されましたが、今日なおシャウプ勧告のかなりの部分は、日本の税制の根幹を占めています。

その第1は、会社員の所得の源泉徴収制度の徹底です。税務当局が企業等から直接社員等への人件費の総額と支払い調書を受け取り、所得税の徴収を代行させる世界に冠たるシステムです。

そして第2が、地方格差を埋めるための地方交付税交付金の制度です。都会に住もうが、地方に住もうが、同じ日本人として最低限の行政サーヴィスは平等に受けられるようにしよう。住む地域によって,受けられる行政サーヴィスの質が大きく違うことがあってはならない。これがシャウプ勧告の精神でした。そしてこの点は、当時ようやく根付きはじめていた民主主義的な平等意識によって、多くの国民に受け入れられました。

当時も今も、米国の地方税の中心は市町村が徴収するレイト(不動産税、日本の固定資産税にあたる)です。地方交付税はありません。そのため行政サーヴィスの質は、住んでいる地域のレイト収入の差によって大きく違ってきます。義務教育経費もレイトによって賄われるのは、日本でも公立の小・中学校が市町村立であることを思い出すと、理解しやすいと思います。

そのため、アメリカでは、きれいな街並みを維持し、お洒落な校舎で少人数学級制を採り入れるに十分な教員を配備した学校と、スラム化した街並みに、薄汚れた校舎での多人数学級の学校とが併存しています。シャウプらは、母国アメリカで実現できない,自分たちの理想を日本で実現しようと考えたのでしょう。この試みはあたりました。日本の教育における全国レヴェルでの一定の標準化は、ある程度実現したからです。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2015.08.26 11:41:21
コメント(14) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

ザビ神父

ザビ神父

カレンダー

お気に入りブログ

福井県大野市  武… New! トンカツ1188さん

映画「きっと、いつ… New! naomin0203さん

「豊臣兄弟」仲野太… New! 5sayoriさん

今日はご機嫌💕 New! あみ3008さん

極級爆弾並みの隕石… New! 歩世亜さん

コメント新着

でぶじゅぺ理 @ Re:石破辞任(09/09) 明けましておめでとうございます。 本年…
葉月 生 @ Re:ご無沙汰しました(08/15) 神父さま お帰りなさいませ。 1ヵ月に1回…
kopanda06 @ Re:石破辞任(09/09) お久しぶりです。 降雨の中、高見観音の…
吉祥天2260 @ Re:石破辞任(09/09) どの人見てもなんだかねぇ・・・ 国のこと…
わからんtin1951 @ Re:石破辞任(09/09) テレビを観ていると、総裁選のことばかり…

バックナンバー

・2026.06
・2026.05
・2026.04
・2026.03
・2026.02

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: