本日7日より9日まで氷見を銀輪散歩であります。トレンクルを氷見市内のホテルに送って置き、サンダーバードで高岡へ。北陸トンネルを越えると雨に。津幡で列車が停まる。石動付近で落雷により信号機が故障したからとのこと。いつまで経っても動かない。車掌に言って此処で途中下車させて貰い、タクシーで倶梨伽羅越え、高岡へ向かう。
高岡駅到着13時。12時50分発には間に合わず、14時12分発まで列車待ち。本来なら13時17分に氷見に到着している筈が・・幸先の悪い旅となりました。
14時39分氷見着。氷見線に忍者ハットリ君電車が走っていることは先刻承知であったが、タクシーも「ニンニン」でありました。そして、バスは怪物クン。
(忍者ハットリ君電車)
(忍者ハットリ君タクシー)
(怪物クン・バス)
予約していたホテルが駅前と思い込んでいたが、かなり遠方であることに気付く。幸いに雨も止んでいたので、遅れついでに、と歩いて向かうこととする。ニンニン(笑)。
ホテルは国道160号線沿い、上庄川を渡って直ぐの処、加納地区にある。途中で道に迷ったこともあってホテル到着は15時をかなり過ぎてしまっていました。チェックイン後、自転車(トレンクル)で少しだけと、走れるだけ走ってみることに。
わが
欲
りし 雨は降り来ぬ かくしあらば
ことあげせずとも 年は栄えむ
(大伴家持 万葉集巻18-4124)
<私が願っていた雨が降って来た。このようだとことさらに口に出して
言わなくても、今年は穀物が実り栄えることであろう。>
(注)ことあげ=「言挙げ」、ことさらに言葉に出して言うこと。言葉に出
して言うと言霊の力が働いて、良きにつけ悪しきにつけ物事に影
響を与えるという考え方に基づくものである。基本的には、みだり
に「言挙げ」はすべきものではないとされる。物事があるべき形に
なっている時は「言挙げ」はしない。あるべき形になっていない時
には「言挙げ」することによって、それが正されるという考え方。
言わば「言挙げ」は物事を正すための非常手段であって、通常は
言挙げしないことが良いこと、美徳とされる。我々日本人の文化
の基底にある言霊信仰、価値観に根差すものである。
家持さんは国守という立場上、雨を「願っていた」と仰っていますが、銀輪家持としては雨は「願い下げ」にして戴きたいという次第。旅の最初の歌碑がこれでは、この先いかなることにやなるならむ(笑)。
国道160号線幸町交差点南西にある有磯高校に立ち寄る。前庭に万葉歌碑が3基ある。もっとも、早や暮れかかって、今にもまた雨が降りそう、加えて「学校関係者以外の者の立入り禁止。」という立て札もあって、前庭で歌碑を探すのも何かそわそわして落ち着かない。2基は見付けたが、もう1基が見つからない。何れも卒業記念に建立されたもののようだが、大伴家持さんの歌であるので、掲載して置きます。
この雪の
消遺
る時に いざゆかな
山たちばなの 実の照るも見む
(大伴家持 万葉集巻19-4226)
<この雪の消え残っているうちに、さあ出掛けよう。そして、ヤブコウ
ジの実が照り輝いているのも見よう。>
(注)山たちばな=山橘。ヤブコウジのこと。
新
しき 年の始めの 初春の 今日降る雪の いや 重 け 吉事もう一つの歌碑は、次の歌なのですが、発見できなかったので写真はありません。
鮪
衝
くと
海人
のともせる
漁火
の ほにか出ださむ わが
下念
を
(大伴家持 万葉集巻19-4218)
<鮪を突こうと海人がともしている漁火のように、はっきりと出してし
まいましょうか、私の心の内を。>
大阪に比べて富山の日没は少し早い、加えて厚く垂れ込めた雨雲の所為で、薄暗くなっていたためもあってか、有磯高校前庭の歌碑の写真はピントがうまく合っていなかったよう。上の2枚は翌日8日朝に再度訪ねて撮影し直したものです。
同様に以下の歌碑等の写真は8日撮影のものです。
(中央町・中の橋)
中の橋は、湊川に架かっている。県道415号線が通る。この橋の畔にも大伴家持の歌碑がある。
(中の橋南詰・万葉歌碑)
藤浪の 影なす海の 底清み しづく石をも 珠とそ吾が見る
(大伴家持 万葉集巻19-4199)
<藤浪を映す海の底が清らかなので、沈んでいる石も私には玉と見
えます。>
(十二町潟排水機場・万葉歌碑、窪地区)
国道160号線沿い、仏生寺川の右岸にある十二町潟排水機場敷地内にある家持歌碑です。
布勢の海の 沖つ白波 あり通ひ いや年のはに 見つつしのばむ
(大伴家持 万葉集巻17-3992)
<布勢の海の沖の白波のように、絶えず通い続け、毎年毎年見たい
ものだ。>
雨がパラつき出し、雷も鳴り出したので、ホテルに帰ることに。ライトを点けなくてはならない程度には暗くなっていました。ホテルに帰り着いたら雨。明日8日の予報も終日雨であったのだが、予報は見事外れました。
しかし、字数制限です。続きはページを改めます。( つづく
)
飛鳥川銀輪散歩(下) 2024.11.11 コメント(4)
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