2003年01月09日
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楽天に日記をアップする。
感想を書いてくださる皆さんがいて、
その人数が、日記タイトルの隣に、カッコつきで表示される。

この数字が20を超えていると、
意味もないのになんとなく幸せになれる。

かつてテレビの世界で、
何年か飯を食わせてもらったものの悲しい性だ。

もっとも今年から、自分の発言をきちんと残すために、
こちら側にレスを返すように、心がけているから


● ● ● ● ● ● 

視聴率20%というのは
テレビのゴールデンタイムの大きな目標だ。

20%を超えたら
番組に対して報奨金も出る。
スポンサーも喜んでくれる。

20を超えたか、超えないか。
超えさすためにどういう努力をするか。

テレビ屋は日々それだけを考えて番組を作っている。


視聴率は
放送された翌日の朝に出る。
各テレビ局の前日の全番組の数字が出る。

さらに詳しく、番組別に
毎分ごとの視聴率の上がり下がりをグラフで表した
分別視聴率
というのも出る。


どこに視聴者が食いついてきたかがわかる。

民放の場合は当然
数字が下がるのはCMが入る時だ。


しかし、CMを入れないわけにはいかないから、
これをどういうタイミングで入れるかが
大切なポイントになってくる。

最近のテレビを見ていて
話が盛り上がった、一番おいしいところで
バツッ!!!
とCMにいってしまい
CMのあとに、続きがあって落ちがくる

というパターンが多いことに

これは全てCMの間に視聴者が
よそに流れることを防止するための作戦である。


どこのテレビ局もこういう手法を
とるようになったのは実は
ここ6,7年じゃないかと思う。

少なくとも、私が仕事をはじめた16年前は
CMの前に、1ネタきちんと終わらせてから、
笑いや感想があって、一段落したところで
司会者がふっていた。
「それではここで、お知らせです!」

今は、こんなのんびりした編集をしていたら、
たちまちクビが飛んでしまうであろう。

視聴者はリモコン片手にザッピングをしているから
ものすごく反応が早い。

番組の中が一瞬でも落ち着いたら、
すぐにチャンネルを変えてしまう。


これは本当だ。

だから、最近のバラエティ番組は、
タレントがしゃべったことを
いちいちテロップにして出して、インパクトを強める。
これも、それを視聴者に読ませることによって
少しでもチャンネルを変えさせない
というテレビ屋の作戦だ。


あれは、見ていて見にくいとか、
邪魔だとか、いろいろ批判は多いし、
制作者側だって、編集作業が面倒くさくなるから
本当は入れたくもないのだが、
テレビ屋にとって最大目標の視聴率を上げることに
つながるわけだから絶対になくならない。

そして、昔は朝のワイドショーなどでしかやっていなかった
サイドテロップ
これを入れることももはや
義務付けられているといっても過言ではない。

テレビ画面の隅っこに
その時、何を放送しているかを、
センセーショナルな煽り文句3行ぐらいでまとめたテロップが
ずーーーーーーっと出ているでしょう?
「妊娠6ヶ月!
若妻の腹を蹴る
 鬼婆姑!!」

とか
「モー娘で一番エッチ!?
加護あいの
入浴秘話!!」

とか
「あなたも危ない!
インターネット
恐怖の落とし穴!」

…みたいなやつですね。

あれは、ザッピングをしてきた視聴者の
興味を瞬間的に掴む為には欠かせないものなのだ。


分別の視聴率表というのは
裏番組の動向もすべてわかる。

折れ線グラフになっていて
Aテレビは赤
Bテレビは青
Cテレビは緑
というように色分けされている。

AテレビがCMに入ったら、ガクッと数字が落ち、
落ちた分だけ
その時間にBとCの数字が、少しずつ上がるわけだ。

だからお互い裏番組がどれぐらいのタイミングで
CMを入れるかを毎回研究しあっている。

できれば自分の番組の一番面白いところで
敵がCMを入れてくれれば、流れてきた
視聴者を捕まえられるからだ。

バラエティ番組は大体
番組が始まったころから右肩上がりにグラフは伸び
CMごとにやや下がりつつも
全体を見れば山型のグラフになる。

山の高さが高いか低いかの違いが、
それすなわち視聴率の高低につながる。

しかし、時代劇などの番組は、最初から終わりまで、
ほぼグラフは同じ高さで一直線である。
CMに入ってもあまり変動がない。

「水戸黄門」 などは
もう、見る人は1時間ずっと見ると決めているわけである。

そして面白いことに
最後の印籠を出す頃と
途中で由美かおるが
お風呂に入るシーンの時には

確実にグラフが少しだけ上がる。

他の番組を見ながらも
ここだけははずさない
と、決めている人が結構いるのだ。

ちなみに新聞のラジオ・テレビ欄。
ここも、視聴率を稼ぐには重要なポイントだ。

短いコメントで視聴者の興味をそそらなくてはならない。

あれは各番組ごとに考えて新聞社に送るのだが、
やはり、高い数字につながるキーワードがあったりする。

おわかりですか?

「オッパイ」と
「巨乳」だ。


皆さんのなかで、新聞のラテ欄にあった
「巨乳美人アイドル登場!」 とかに魅かれて
チャンネルを合わせてしまった経験がある方もいるでしょう?

ね?
古俣伝三郎さん
あんきもさん

男の欲望は情けないほどストレートなのだ。

ここまで読んでいただいて
お気づきになったと思うが
視聴率を獲得するというのは、
視聴率を下げない努力をすることだ。


視聴率は、その番組が放送されている時間の平均で出るから、
例えば、前の時間帯の番組がもの凄く人気があって、
高視聴率がとれていると、
そこからの流れで次の番組の数字が最初から高い
ということもよくある。

駅伝のように
次の走者(番組)にいいタイム(数字)で
タスキを渡していくことが理想なのだ。


だから、何か視聴者が興味を持つ大きな事件があって、
前の番組が特別に臨時特集番組に変わったりした後というのは
いつもよりかなり数字が高かったりもする。

オ○ム真理教事件の頃がそうであった。

逆にOA中に
ニュース速報のテロップが入ったら、とたんに数字は下がる。
その瞬間にみんなNHKにチャンネルを変えるからだ。

反面、視聴率争いはある意味選挙運動みたいな所もある。
つまり
投票してくれる人(見てくれる人)は、頼まなくても投票してくれる(見てくれる)。
誰に入れるか迷っている
何を見ようか迷っている
浮動票をいかに獲得するか。
これがポイントだ。


視聴者の浮動票が最も漂う時間が、
番組と番組の間のCM時間帯である。
6時57分とか
7時58分頃だ。

だから裏番組より1分でも早く、
番組をスタートさせて少しでも多くの
浮動票視聴率を拾おうと、
8時台の番組が7時59分から始まったりするようになった。

凄いもんだ!

裏番組も真似してきたら
また1分繰り上げ…
そしてまた1分繰り上げ…
なんていうことになってそのうち、
7時の番組になってしまったりするのではないだろうか?

そして
平日のゴールデンタイムにテレビを見ているのは
子供と主婦が殆どだ。

普通のお父さんは
会社で残業をしているか
家族と食事をしていてもチャンネル権などあるわけがない。

だから、この時間帯は内容的に
難しくて固い話は一切なし!
できるだけ子供にも
わかりやすい、番組にする必要がある。

だからテロップにルビを振ったりする
ような風潮まで生まれたりしたのだ。

それも読みにくい漢字ならまだしも、
「上」とか「下」レベルの漢字にまで。

まあ・・・
正直言って私はそこまでやるのは、
ある意味、視聴者をバカにしているんじゃないの?
と思ったりもしたが
結果として高い数字が残ったのだから、
テレビ屋の世界では
正解
だったのである。

視聴率至上主義は賛否両論あるが、
何が良い番組か?ということが一口には言いにくい、
テレビ番組というものを評価するには
数字が一番わかりやすいものだ。

そしてテレビ屋は、
この数字に魂を売った人間たちの集団だ。
数字がすべて。
視聴率がすべてである。


数字を取るためには何でもやるのがテレビ屋で、
「そうまでして数字がほしいのか!」
といわれたら
「ハイ」
というしかない。

「くだらない番組をつくるな!」
というご批判もたくさんいただいたが、
NHKじゃないのだから
別に視聴者から直接お金をもらって作っているわけでもなく、
つまらないと思ったらチャンネルを変えてもらえれば、
それで良いと思っていた。

奢った考えかもしれないが
くだらないと思う番組なら見なければいい。
その時間を読書とかにあてたほうがよっぽど有益なのだから。


テレビというのは何となく習慣で
スイッチを入れてしまうという特性を持っている。
「くだらねえなあ!」
と思いながら見ている人が
実はものすごく多いのだ。


結果、悲しいかな、いじめられ役のタレントがいじめられたり、
お約束の内輪ネタばらしや
ドタバタをやったりしているような、
ばかばかしい番組が、
案外数字を取っていたりするのだ。

今のシステムではよほどのことがない限り
(ひどいヤラセの発覚とかね)
数字を取っている以上、
絶対にそういう番組はなくならない。

そして
テレビ屋の意識の中には
「苦情・批判も視聴率のうち」
というのが必ずある。

苦情電話1本だけで内容が変わったりすることは、まずない。

「子供が見ているのに!」
「真似したらどうするんだ!」

と抗議をしたところで
「ですから
<マネしないでください!>と、テロップを入れています」

と、答えが返ってくるのがオチだ。

こんな対応しか返ってこないのに
苦情を言うために電話代をかけるのも、
もったいないでしょう?

何よりもテレビ屋にとって一番痛いのは
見てもらえなくなることなのだから、
くだらないと思ったら絶対に見ないようにするのが一番だ。


一時流行っていた
「どっきりカメラ」 的な
一般人をだまして笑う番組が殆どなくなったのも
倫理的な問題もあるが
視聴率が取れなくなった事が大きい。

視聴者があの手の俗悪番組を拒絶し続けたおかげだと思う。

今はBSやCSやケーブルで
沢山チャンネルの選択肢もあるのだから
民放のバラエティ番組が
くだらないと思ったら、
別のチャンネルで名作映画とかを見ることをお勧めしたい。

特に、お家に視聴率の機械がついている方は、
くだらない番組に惰性でチャンネルを合わせ続けることをせず、
消すなり、変えるなりどんどんして欲しいと思う。

ざっと駆け足で書いてきたが
これらの話はすべて私が実際にテレビで仕事をしていた
6年位前の状況を元に書いている。
だから、現状とは違う部分もあるかもしれないが
もしもお気づきの点があったら、ご指摘ください。

また、ご意見、ご批判も、大歓迎です。

※1ヶ所訂正入れました。
「NHKにチャンネルを回す」→「NHKにチャンネルを変える」
2003年1月9日 管理人







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最終更新日  2003年01月10日 11時47分59秒
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