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2005.01.30
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カテゴリ: 不思議な世界
超能力者列伝3(西丸震哉)

西丸震哉といえば、幽霊の話に言及しないわけにはいかない。

1946年に釜石の水産試験場に着任した西丸は、毎晩のように同僚とマージャンをするなどして夜遅く帰宅する毎日だった。ある晩、いつものように家に戻る途中、コンクリート堤の上に腰掛けているうら若き女性がいた。こんなに夜遅く一人で何をやっているのだろうなどと思いながら、通り過ぎて後ろを振り返ると、何とそこにいたはずの女性がいなくなっていた。

それから四日目の晩にも、やはり同じ場所に女性が座っていた。夜間だと寒いにもかかわらず、大きな牡丹の模様のついた浴衣だけのカッコウだ。そして、通り過ぎるとやはりいなくなった。「さては、これは幽霊にちがいない」と考えた西丸は、今度出会ったときは正体を確かめてやろうと、通り過ぎる前に声を掛けてみることにした。

果たして、次の晩も女性は堤の上にいた。西丸はおそるおそる女性に近寄って、「お晩です」と声を掛けた。しかし、女性は反応しない。まるで西丸のことが見えていないようだ。顔を近づけても全く反応がない。よく見ると、非常にきれいな女性で、電灯の明かりの中、顔の薄毛まではっきりと見える。ところが、指で彼女の肩を突いても、突き抜けてしまう。

これはいよいよ幽霊だと確信した西丸は、用意した棒で思い切りその女性をぶったたいた。棒は女性を素通りし、コンクリートにあたり「ガツン」と音が鳴った。何度棒を振り回しても結果は同じだった。根負けした西丸は「もう出て来るなよ」と捨て台詞を残して(本当はすごく恐かったはず)、立ち去るほかなかった。

西丸は心配した。見ず知らずの土地で、自分の前に幽霊が出るのは、その女性が怨んでいる男が自分に似ているせいではないか、と。そこで地元で聞き込みをしたところ、12年前、その場所は入り江になっており、男にふられた27,8歳の女性が身投げしたことがわかった。しかも、死んだ女性が着ていたのは牡丹の柄の浴衣だったという。ただ、安心したのは、その女性をふった男の人相が西丸とは似ても似つかない顔つきだったということだった。

ところが、問題はここからだった。いままで何をやっても振り向いてもくれなかったその女性が、西丸の後をつけて家まで来るようになったのだ。最初は距離が離れていたが、やがて家の中に、そして西丸が寝ている枕元にまで来るようになった。追っ払おうとしても、その女性の幽霊は全く動じない。

あるとき、西丸が寝ていると寒気を感じて目を覚ました。するとそこには、件の幽霊が西丸の顔をのぞきこんでいた。それまでは近くにいても西丸と目が合うことはなかった。幽霊の目は遠くのほうを見つめているようだったからだ。



西丸はあせった。「これは大変なことになった。このままでは命が危ない」。そう思った西丸は会社に「これ以上、ここにいるわけにはいきません」と、その日のうちに伝えて、東京に逃げ帰ったのだという(クビにはならなかったらしい)。

そんな釜石での体験から10年が過ぎたある日。大手新聞社の部長の紹介で、前世を見ることができる霊能者がいるから銀座で食事をしながら会ってみようということになった。

その人は女性の霊能力者だった。彼女は西丸の前世を次々と話し出す。西丸はあるときは、アイヌの酋長の息子で、またあるときは唐の時代に活躍した安禄山だった事もあるという。しかし、そんなことを言われても西丸には思い当たる節は全くない。まあ、本当かどうかわからないが、とりあえず乾杯しようとしたそのとき、その霊能力者は「ちょっと待ちなさい」と西丸に声をかけた。「まだ、何か見える」と彼女は言う。「あなたの後ろには牡丹の柄の浴衣を着た若い女性がいる」というのだ。西丸は驚いた。その女性は紛れもなく、西丸が釜石で遭遇したあの女性の幽霊だったからだ。

その女性霊能力者に事情を説明すると、霊能力者はちょっと相談してみましょうと言うと、なにやら西丸の後ろに向かって「モシャモシャ」しゃべりはじめた。やがて西丸に笑顔を向け「もう大丈夫。納得して帰っていったから、もう二度とあなたにかかわりあうこともないでしょう」と言う。

西丸はその後、釜石を訪れる機会があったが、幽霊と再開することもなかった。当時の上司や同僚と、昔の幽霊話をして盛り上がったのだという。
(文中敬称略。もっと詳しく知りたい人は西丸震哉の『山とお化けと自然界』(中公文庫)をお読みください。)

さめ





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最終更新日  2005.01.30 09:45:51
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