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2010.09.08
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カテゴリ: カテゴリ未分類
日本の経済面での停滞感が著しくなってきた。そのたびに政府は、知恵を絞って経済戦略をたてる。

昔、「技術は一流、政治は三流」という記事を見たことがあるが、今、正にその感が強い。
自民党から民主党へ世紀の政権交代が成される前の科学技術振興策は「バイオ」「情報」「環境」「ナノテク」を重点推進4分野に指定し、さらに「エネルギー」「ものづくり技術」「社会基盤」「フロンティア」を推進4分野に決めていた。

政権交代後、このところ民主党内の覇権争いが目につくところであるが、一応に、梗概的なことが多く、日本を一体どうしようとしているのかが聞きたいという話が良くある。
一方では、政治主導でなければいけないといい、その点では、小沢氏、菅氏共に同じ方向性を持っているという。

しかしながら、今のままでは政治主導というのは、画餅でしかないのは誰の目にも明かである。もちろん建前と、構造は、そのようになっているはずであるが、実際の運営と、運用は違っているのである。

軍隊にタイする文民統制のようなものであり、あたかも文民たる総理や防衛大臣達がコントロールしているように映るが、もし戦時になればどうなるのか、過去の、陸海軍大臣が軍人であったことからも分かるように、戦いの専門家に牛耳られるのは目に見えたことである。

ここではもう少し穏やかな話であるが、「日本の発展を、官僚に任すのではなく、政治家たる者が国民の声を反映して、主導権を握って、官僚を使いこなすのだ」という。
字面だけを見れば、いかにも我々個人個人の意見が国政に反映される耳障りの良いものに聞こえる。



しかも、官僚といわれる人達の方が数の上でも、国民生活に密着したことでも一枚も二枚も上にあるのである。理念のある国会議員もいるだろうが、国会議員になることが最終目標の人間もいる。
官僚とて同じ事であり、戦後日本を建て直した官僚と現在の官僚とでは、全くと言っていいほど国に対する思い入れが違うと言うことである。

まあ、それはそれとして、この6月に政府(民主党)は日本経済の再生策なる成長戦略「産業構造ビジョン」を決定した。それによると、戦略5分野は、(1)「インフラ輸出」、(2)「環境・エネルギー」、(3)「医療・介護・健康・子育てサービス」、(4)「文化産業」、(5)「先端分野」ということだ。

2009年、民主党政権発足当時の新成長戦略は6つの戦略からなり、1. グリーン・イノベーションによる環境・エネルギー大国戦略、2. ライフ・イノベーションによる健康大国戦略、3. アジア経済戦略、4. 観光立国・地域活性化戦略、5. 科学・技術立国戦略、6. 雇用・人材戦略
であった。
これを見ても、半年経つとニュアンスも内容も少しずつ変化している事が分かる。
時々刻々変化する世界情勢に付いていかねばならないという意味に於いては、戦略(Strategy)も之に従って変化しなければならないが、今回の成長戦略「産業構造ビジョン」と、前回の新成長戦略との違いと、その脈絡がはっきりしない。

こういったことは、政治家主導といいながら、政府が諮問会議等に丸投げして、文章を作らせることによって生じる結果だという気がする。その会議には、産学の中に官も当然入っているわけで、時にすぐれた文章で尤もらしいことは書けるが、首尾一貫していないという難点がある。

所謂政治主導といった形にならないのはこういった土壌だからであろう。志を持った政治家が居れば、情勢に右顧左眄することなく、一貫した戦略が描けるはずである。

戦略5分野の(1)「インフラ輸出」は原子力、水、鉄道等を含むとあったが、6つの戦略ではさしずめ何に相当するのだろうか。
(2)「環境・エネルギー」は次世代エネルギー・ソリューション環境都市,次世代自動車等と言うことであったが、これは、1.のグリーン・イノベーションによる環境・エネルギー大国戦略といったところか。(3)「医療・介護・健康・子育てサービス」は該当する項目が見あたらない。(4)「文化産業」は文化産業立国でファッション、コンテンツ、食、観光等に注力すると言うことで、4. 観光立国・地域活性化戦略という一環であろう。最後の(5)「先端分野」はロボット、宇宙等を網羅するものであったが、6つの戦略ではさしずめ、5. の科学・技術立国戦略に含まれると言うことだろうか。


戦略5分野の説明の中に「国を挙げて産業競争力の強化に乗り出す必要性を強調し、・・・2020年までに149兆円の新市場、258万人の雇用を生み出す目標を掲げる」となっており、わずかに、6つの戦略の6番目の雇用・人材戦略に触れている。

総務省によれば、日本の2009年の失業者数は347万人で、失業率は5.2%ということだ。258万人の雇用創出では残った90万人近い人はどうなるのだろうかと思ってしまう。

この度の戦略5分野は2009年の民主党政権発足当時の新成長戦略6つの戦略が絞り込まれたものではあろうが、同じ政権が、半年の間にニュアンスが少しずつ変わるのは、世界情勢の変化ばかりではなく、トップの連続性がないための継続性の遺失であろうと思う。今回、菅首相が、小沢氏に変わったとするなら、また、この成長戦略は若干の手直しが加えられることは必定と思われ、日本は、いつまで経っても戦略の立案に追われ、実行の方が伴わないと言うことにもなりかねない。

戦略5分野の第1番目に据えられた、(1)「インフラ輸出」等についても、アフリカにおける中国のトップ外交や、韓国のトップ外交によるアラブ首長国連邦(UAE)での原子力発電所建設事業の受注など、日本に比べて、トップ自らが、国運を賭けた商談に乗りだしている。
こういったことは、国の成り立ちを思えば、国益という点で、官民一体となるのは常識であるが、何故か日本は、その傾向が薄いと言わざるを得ない。


国のために役立ってこそ、高い給料を税金で賄っている根拠がある。いたずらに先生、先生と、幼稚園の子供でもあるまいに、大した政策的な共有もないままに、雰囲気と、自らの保身のために動く政治家が多いことを嘆くものである。

それにしても、トップ外交に出かけてもこう度々変わる日本の顔であれば「Who are you?(あなたは誰?)」と聞かれて、商談どころではないかも知れない。
早く正常な日本に戻って欲しい、ということは早く我々国民自身が「お上一本やり」、「おらが国の先生」という考えを改め、事の是非を高度に判断する力を持たなければならないと言うことである。





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Last updated  2010.09.09 09:28:54
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