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2010.11.13
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カテゴリ: カテゴリ未分類
最近はやたらと難しい、略語が増えている。TPPもその1つだが、日本名は環太平洋経済連携協定(Trans-Pacific Partnership)の頭文字を取っている。
Transは「越えて」とか「横切って」などと言う意味で、太平洋を横切って提携協調しようと言うことで、もっと詳しく言えば、Trans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreementということで、ここで初めて経済と言うことと、協定という言葉が入ってくる。

今回の経済協定は当初2006年5月にシンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランドの4カ国の加盟で発効した自由貿易協定であり、例外品目のない、完全なる関税撤廃をめざしている。ここにTrans-Pacific(環太平洋)という名の下に、アメリカが強引に入ってきたという構図になっている。

日本は江戸時代まで鎖国政策を続けていて、世界に目を開かなかった。そこに強引に乗り込んで来たのはペリーであり、やがてハリスがやってくる。そして結ばされたのは、日米和親条約に続く極めて不平等な、「日米修好通商条約」である。この条約が我が国として外国と結んだ経済協定のはじめである。

この条約の内容には、「治外法権で領事裁判権をアメリカに認める」とか、「自由貿易」とか、「関税自主権がない」「日本に不利な銀貨幣による決済」とか言った諸々の不平等な内容が含まれていた。この不平等条約の下、日本は約30年間を、諸外国に有利なように貿易をせざるを得なかった。

その後、明治、大正、昭和と時は移り、ようやく大人の仲間入りをした日本である。
続いての貿易協定としては、貿易国双方が2国間で関税を個別交渉によって協議するというGATT
(関税および貿易に関する一般協定:General Agreement on Tariff and Trade)が挙げられ、1947年ジュネーブの会議で調印された。
これは、1930年代の世界的な恐慌の苦い経験を繰り返さないために国連の下部機構となる国際貿易機構としての発足である。



この時具体的に設立されたのが、国際通貨基金(IMF)、国際復興開発銀行(IBRD)である。今は昔、日本円が1ドル=360円に固定された時でもあった。この体制下で日本を含む西側諸国は、史上類を見ない高度成長を実現。特に、日本の高度経済成長は「東洋の奇跡」とよばれ、安定した自由貿易の利益が先進工業国全体の経済を改善したのである。

しかしながら、この体制も長くは続かず、 アメリカ経済の拡張的な姿勢によりドルのインフレが進行し、ニクソン政権により、通貨価値を保持することを放棄 (金本位制の放棄)する に至り、いわゆる1971年のニクソン・ショックによりアメリカはドルと金の交換を停止した。

その後、世界は、変動相場制に移行し、ブレトン・ウッズ体制は崩壊し、GATTは1995年に「協定」から「機構」へと、より広い意味での世界貿易機関(WTO)へと発展的に解消したのである。

日本は、発足当初から之に加盟しているが、GDP世界第2位となった中国は、遅れて2001年にやっと加入している。WTOに入れば、勝手な振る舞いは許されないし、紛争の調停機構なども備えているが、中国は、正に独自を行くという具合に、海賊版を出したり、模造品を出したり、最近ではアンフェアな、レア・アースやレア・メタルなどの輸出規制を平気で行っている。

こういった面を捕らえて、糾弾すべきではあるが、なかなか大国化し、既成の事実を作り、取り繕うことの巧い中国には何の規制にもなっていない。

東南アジア諸国連合(ASEAN)は元々、インドシナ半島の共産主義勢力への対抗を目的とする安全保障の枠組みとして発足した10ヶ国で構成されていたが、政治目的を越えて、現在では経済・社会・政治・安全保障・文化等全ての面での地域協力機構として存在価値を高めている。

之にプラス3ヶ国という事で、日本、中国、韓国を入れた13ヶ国で域内の問題を解決するといった状況にある。中国は、むしろ、このASEANを軸に、存在感を高めようとしているようであるが、この機にアメリカが積極的に展開しようとするTPPにも強い関心を抱いていることも事実である。

GATT設立の目的は、各国がブロック経済圏をつくり地域内のエゴに走らぬようにとの点にあったが、ここに来て、多くの経済協定が乱立することになる。この度のTPPは例外なく完全な自由化を目論んでおり、物だけではなく、サービス、知財などの範囲についてもその協定は及ぶと言うことであるから、大勢に於いて貿易自由化即ち関税の撤廃はするが、自国が弱い部分は、高い関税を掛けて保護するということがまかり通っていたWTO時代とは違った厳しい決意が必要である。

WTO時代でも、日米間でも再三貿易摩擦を起こしたことは記憶に新しいところだ。
日本で今一番に問題になっているのが、農業である。現在は完全な保護貿易下に置かれて、何とか凌いでいるというありさまで、常識では考えられない700%もの関税を掛けて、外国産の米などの輸入を拒絶しているのが現状なのである。

「農業人口260万人を路頭に迷わせるのか!」というのが農家の主張である。一方、反対に、製造業に関係する約1100万人もの人口を構成する側は、このままでは、立ちゆかない、技術の海外流出もやむを得ない状況に追い込まれると、声高にTPP加盟を促している訳だ。



私のマンションから外を見ると、未だ田んぼが見える、この田んぼは、一見して見渡せる範囲ですら、何区画にも分かれていて、それも真っ直ぐではなく曲がりくねったいびつな形をしているのである。
諸外国の農場をつぶさに見た訳ではないが、アメリカの農家の映像を見る限りでは、大型トラクターが稼働し、地平線までも一挙に耕すなど明らかに効率化された様子が見られる。我々が、フランスを訪れて、パリからジベルニーに行くその途中でも、流石農業国といわれるだけあって、広大な面積を有している。

こういった立地条件の中でも日本の農業は、健闘していると言える。ただ、如何せん、自然と天候に左右される1次産業にドラスティックな改革、効率化は望めない。増して、農耕を主として生きてきた、日本の歴史には重いものがある。ここに来て、農業の門戸を開くことは、大いなる犠牲が要るだろうが、ここで鎖国を続けるなら、近い将来に禍根を残すことになるであろう。

貿易の自由化は一般的に自由貿易協定(FTA:Free Trade Agreement)がベースであり、地域ごとにその名前を変えて多数存在する。アジアに於いては基礎となるAPECの上に、ASEAN+3という枠組みと、ASEAN+6という枠組み、更に、今回のTPPという形があり、それらはやがて、FTAAP(アジア太平洋自由貿易圏)としてまとめられる道筋も見えている。

機会損失という言葉がある、正にこの機会は、これを逸すれば、国家百年の計をも危うくするかも知れない。農業大事(いや農家の票大事)と無策であった政権の続いた日本の正念場が見えてきた。





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Last updated  2010.11.14 21:26:16
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