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2018.01.09
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カテゴリ: カテゴリ未分類
今日のウォーキングは雨模様で中止したが、後晴れてきて、風が冷たかった。
連れ合いが、もうすぐ終わりになる、又吉原作の映画「火花」を観たいという。私も、漫才師が書いた直木賞作品「火花」の原作を読んだが、特別感慨というものはなかった。

一人で観に行くというので、調べてみると、ほぼ同じ時刻に映写される映画に「ジャコメッティ」(最後の肖像)があったので、私はそっちの方を観ることで、一緒に梅田まで出掛けた。

先に火花の方が始まるので、私は時間差で入場した。はっきり言って、ジャコメッティが誰なのか、と言う事は一切知らなかった。只時間帯が同じだと云う事と、火花よりはましだろうぐらいにしか思っていなかった。ましだろうというのは、作品としてでは無く、単なる好みでしか無いのだが。連れ合いは事前に私に教えてくれたのは、ジャコメッティは彫刻家で、きっとロダンの映画のようなものだと云う事だった。

映画が始まっても客は、ほんの5-6人しか居ない。本編映写前の他の映画の予告編は色鮮やかだし、結構派手なアクション場面(尤もそういったカットを予告編では放映するのだが)があったが、本編が始まると何やら最初はモノトーンな映画かと思わすようなどんよりした画面だった。

そしてその色彩調は最後まで変わらなかったのだ。映画は、フランスで活動した実在の芸術家(どうやら彫刻ばかりでは無く絵画も著した)、アルベルト・ジャコメッティが最後の肖像画に挑んだ様子を描いたドラマだ。そしてその解説だけでこの映画の全てを語っていると言っても過言では無い。

1964年のパリが舞台だ。といってもその大部分がジャコメッティのアトリエ内という単調さだ。ジャコメッティはアメリカ人青年のジェームズ・ロードに肖像画のモデルを依頼する。そして、ロードはジャコメッティの頼みを喜んで引き受ける。この辺の経緯、何故青年が引き受けたのか、又青年とジャコメッティの関係はどうなのかなどは一切説明が無い。(と思う)

と思うと云ったのは、単調な映画故に何度かうつらうつらしたので、その間に説明があったかどうか分からないからだ。とにかく必死で目を開けるように努力した。

何処が単調か、といえば、最初、半日で描き上げると云う事で始まった肖像画のモデルだが、ジャコメッティはどうしても納得いかないという。2日になり3日になり、人の良い青年は、NYへ帰る飛行機の切符を何度も延長して、それに応えるのだ。



その間に、ジャコメッティを巡る女給や、絵画の仲買人が登場する。絵画の仲買人は、作品の対価として膨大な金を置いていくが、その幾ばくかを助手の弟に渡し、又幾ばくかを自分が取って、他はどこかに隠してしまう(必要ないと云う事で)のだ。そんなお金が、家のあちこちに隠してあるというのだが、本人も何処にあるのか感知していないといった具合だ。とにかく人気芸術家であることはこう言った場面から容易に分かる。

芸術家というのは、まさにこう言った狂気の中にあるのかを象徴するのだが、そういった癖を見ても、この肖像画の描き直しを何度もやると云う事を私に納得させることが出来ないのだ。
映画の解説では、「対象の本質を描こうと試行錯誤する芸術家の生きざまに迫る」とあったが、芸術というのは、かくも生産性の低いものなのかと、理系の私は思ってしまう。(ひょっとして、この映画の狙いの本質は、そういった生産性や、効率のみを重視する現代社会への警鐘なのかも知れない)

ふと、昨年末に流行病のようにばたばたと起こった製造業の品質不正を揶揄しているように感じたのだ。

画面の説明で、この繰り返し行為は、18日は掛かったようだ。青年は、弟と相談して、完成して、灰色の絵の具で塗りつぶす前に何とかストップさせようと画策し、やっと成功するのだ。

やれやれやっと完成したのだと、青年はNYに帰り、その絵画はNYでの絵画の展覧会に出展するために梱包され出発する。やれやれと思ったら、その後暫くしてジャコメッティは亡くなるという説明だ。

それで終わり、何だか、お金を返せと言いたくなるのは、芸術を解さない私だけかなどと思いながら12番のブースを出た。すると、全く判で押したように8番ブースから火花を見終えた連れ合いが出てくるではないか。

全く以て、時間つぶしのためにこの映画はあったのだと改めて思ったわけだ。

映画が跳ねて、立ち寄ったチカバルでは、50席はあろうかという店内にたった1人の客しかいなかった。私たちは3人目だったので、ゆったりと座ろうと2つの席を占めようとしたら、従業員の男が、対面で座って下さいと、狭い2人席に押し込められたのには唖然とした。結局店を出るまでにそこにはまだ客は来なかったのだが・・・。

【古今和歌集】

323.雪ふれば 冬ごもりせる草も木も 春に知られぬ花ぞさきける (紀貫之)






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Last updated  2018.01.10 10:37:21
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