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2018.06.30
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カテゴリ: カテゴリ未分類
今日のセミウォーキングは上牧駅裏から梶原高架下までで、帰りはシャルマンを通った。

久しぶりに姉のホームを訪れた。グランドゴルフをするとかで、手袋が欲しいとのことで、届けた。

***

インドの鉄鋼最大手JSWスチールが増産を決めた。鉄余りとか、アメリカの鉄鋼輸入の制限とかの動きがある中、思い切ったニュースだ。昔の産業の米の扱いが低迷しているといった印象だったが、粗鋼生産開始から20年足らずで、インド最大手に上り詰めたJSWが2020年までに主要製鉄所の粗鋼生産能力を約1割増強する。
インドでは、道路や空港のインフラ整備、住宅建設や自動車向けの需要が増加している事が挙げられる。

インドの製鉄と云えばタタ製鉄だと認識していたが、どうやら事態は変化しているようだ。2010年には粗鋼生産能力はタタを抜いて国内トップになっている。その後も順調に成長を続けているようだ。

現段階でのインドの年間粗鋼生産量ランクは、JSWが1800万㌧で首位、続くタタは1300万㌧、3位はエッサール・スチールの1000万㌧となるが、JSWは増強して2020年には1900万㌧となることを目指している。さらにJSWはエッサールの買収にも名乗りを上げている。
このほかにも国営の鉄鋼公社がある。

世界に目を向ければ、2017年の世界の粗鋼生産量は16億9122万㌧でその約半分は中国の8億3173万㌧で、群を抜いている。日本は1億466万㌧と2位ではあるものの、唯一前年よりも減産であった。経済成長が続くインドは之に次ぐ1億137万㌧で3位に付けている。欧州連合(EU)加盟28カ国は1億6868万㌧、アメリカは8164万㌧となっている。



JSWはジンダル財閥の一角を占める中核企業で、創業が1994年と極めて若い企業だ。創業者がトップで、意思決定は早く、積極的な投資や、M&Aで事業を急拡大してきた。このまま世界的な鉄鋼需要が続けば、予定とおりなのだが、2014年~16年にかけて「鉄冷え」が襲ったように、市況が悪化すれば、急拡大した投資が、裏目に出ないとも限らない。

WSA(世界鉄鋼協会)の見通しでは、2018年のアジアの鉄鋼需要は17年比1.1%伸びるとされるが、2017年に比べて需要の伸びは減速するという。

振り返ってみれば、2008年に資源大手の豪英系資源大手のBHPビリトンがリオ・ティントの買収を断念したことや、中国の鉄鋼需要も急速に減退して、世界の鉄鋼市場は減衰していった。スポット価格も半年一寸で、65%も下落した。

この時は、最大規模の需要家である自動車業界の落ち込みが大きく、需要減退が著しかった。

また、2013年には、世界の粗鋼生産量の約半分を占める中国の鉄鋼業界が過剰生産能力で苦境に立たされた。中国の大手鉄鋼メーカーは軒並みに赤字に陥り、2012年は主要23社が赤字計上する事態になった。

収益悪化の直接の要因は鋼材価格の下落だった。不動産購入規制で不動産開発ペースが鈍化し、家電や造船など工業製品の販売不振もあって中国の鋼材市況は低迷に陥った。自動車や家電向け鋼板の母材となる熱延コイルの鋼材価格が著しく下落したのだ。

この遠因は、鉄鋼生産の設備過剰だ。リーマンショックを克服するために、中国政府は景気てこ入れで巨額な経済の緩和政策を打った。当初は、鉄鋼業界も他の製造業も資金をどんどん投資にまわしたことで、世界経済は比較的短期間によみがえったかに見えた。

然し乍ら、原材料となる輸入鉄鉱石の価格上昇が相まって、中国鉄鋼業界は、利益の出ない構造になってしまった。最早、再編・淘汰が進まない限り立ち直りは難しくなったのだ。

それでも中国の地方政府は、地元経済への貢献を期待するために国有鉄鋼メーカーをひたすら支援した。金融機関も赤字企業への融資をいとわなかった事などが世界の鉄鋼不況をもたらす原因となったのだ。

こうして、2016年には、世界の鉄鋼大手が軒並み業績を悪化させていった。韓国の鉄鋼最大手のポスコも、アメリカ大手のUSスチールも同様で赤字を計上した。さらに、世界最大手のアルセロール・ミタルも欧州事業が赤字で、フランスの高炉やスペイン工場の操業を停止し、インドのタタ製鉄も大規模なリストラを余儀なくされたのだ。

この業績悪化の震源地は中国の生産過剰であったわけだ。2015年に中国も減産したのだが、一方で、設備は2020年まで鉄鋼需要が年率10%成長することを見込んでの設備投資があったため、国内需要を遙かに凌ぐ設備が残ったのだ。


鉄鋼の生産過剰は深刻で、いったん建設した高炉は生産調整と云って簡単に止めることができない。高炉を燃やし続けて、鉄鋼をどんどん生産していかないと高炉設備を維持することができないのだ。

こうして、鉄鋼業界は長い冬の時代に入った。EUも中国で余った安価な鋼材流入のあおりで大手の業績が悪化し、加えて、タタ製鉄が英国から撤退する問題までに発展した。第1次産業革命を主導したイギリスには鉄鋼業への郷愁は今なお強くイギリス国民の6割以上が製鉄所の国有化を支持し、その結果、イギリス政府はタタ英国事業に最大25%出資する方針を表明するに至った。

このような過去を持つ鉄鋼業界の流れだが、未だに中国の粗鋼生産は他の国の数倍という断トツのアンバランスな状況が続いている。JSWが鉄鋼増産に踏み切ったことが、その後どのような展開になるのか、見守らなければならない。

【古今和歌集】

476.見ずもあらず見もせぬ人の恋しくは あやなくけふやながめくらさん (在原業平朝臣)



(見ずもあらず ・・・ 見ていないということもない 、あやなく ・・・ 無意味に)





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Last updated  2018.07.01 17:08:35
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