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2026.06.12
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あまく危険な香り-山下達郎("Ama-ku kiken-na kaori/Tatsuro Yamashita") Covered by OPUS




メガバンクや大手証券の「富裕層ビジネス」はなぜ失敗するのか?客がウンザリする3つの理由
6/1(月) 17:30配信 ダイヤモンド・オンライン

 富裕層ビジネスの強化を掲げて、日本のメガバンクや証券会社が再び動き出している。しかし過去を振り返ると、この分野で成功した例はほとんどない。なぜなのか?※本稿は、金融コンサルタントの高橋克英『超富裕層に「おもてなし」はいらない 世界の一流が日本に惹かれる本当の理由』(講談社)の一部を抜粋・編集したものです。

● 各社が富裕層ビジネスを 強化すべく動いているが…

 273万人に達した日本の富裕層をターゲットに、メガバンクや大手証券会社などが、資産運用を中心とした富裕層ビジネスを再び強化してきている。

 2023年2月、みずほFGは、スイスの老舗プライベートバンクのロンバー・オディエ信託と富裕層ビジネスに関わる業務提携を結んだ。

 ロンバー・オディエの運用商品をみずほの富裕層顧客に提供したり、同社の研修にみずほの行員が参加したりするなど人材交流も行っており、2024年6月には、提携範囲をサステナビリティ分野に拡大している。

 SMBCグループは、連携関係にあるSBIグループと、2025年9月、個人資産運用助言会社を設立するとともに、Oliveの最上位ランクである「Olive Infinite」を2026年中に導入するという。

 「Olive Infinite」がターゲットとするのは、仕事も遊びもアクティブ、スマホを使いこなし、自ら情報収集、ネットで投資を完結する、「デジタル富裕層」だという。



 その他、三井住友トラストグループ傘下の三井住友信託銀行では、2021年8月に、スイスの大手金融機関UBSグループと「UBS SuMi TRUSTウェルス・マネジメント」の営業を開始、こちらも富裕層向けだ。

● 邦銀が見落としている 富裕層の3つの特性

 このようにスイスの老舗プライベートバンクと提携したり、グループ内での連携を強化したり、金融商品やサービスを増やし、豪華なラウンジを用意したりするなど、メガバンクだけでなく、証券会社や地方銀行を含め、多くの金融機関が富裕層ビジネスに努めている。

 しかしながら、バブル期以降、何度も繰り返された試みと同じように、新たな提携や組織の立ち上げや改編、金融商品やサービスを揃え、やみくもに人員を増やすだけでは、この先も変わらず邦銀の富裕層ビジネスは上手くいかない可能性が高い、と筆者は読んでいる。

 その根本的な理由はズバリ、肝心の富裕層の特性をよく理解していないことにある。具体的には、(1)そもそも富裕層は開示しない、(2)コロコロ変わるのは論外、(3)時間泥棒が大嫌いという3点だ(図表終章-2)。

● 家族構成は?保有資産の構成は? そんな質問を富裕層は最も嫌う

 そもそも富裕層は開示しないのは、家族構成や金融資産をベラベラ話しても得することはないと経験上、知っているからだ。

 例えば、富裕層がふらりと訪問したルイ・ヴィトンやレクサスといった高級ブランドの店舗担当者に、開口一番、家族構成や保有資産、他社との取引状況を根掘り葉掘り聞かれることはない。考えてみれば当たり前の話だ。

 ところが、銀行における富裕層との面談の際は違う。営業担当者は、行内研修で厳しく指導されたのか、面前の顧客に対してマーケットの話題や金融商品の提案よりも、家族構成や資産構成などを聞かなくては、と気をとられてしまい、本末転倒な面談や顧客対応になってしまっている。

 かような面談で、富裕層の心を掴み、取引につながることはまずないが、「家族構成が聞き出せ、親密になれた」と記された営業担当者の日報は、支店長には「よくやった」と評価されてしまうことになる。

 マネーロンダリングの防止などのため本人確認の実施など銀行としての縛りがあるのは理解できるものの、富裕層はそもそも開示しないので、必然的に、富裕層顧客の金融資産の全体像も把握できないことになる。



 個々の銀行で行われている資産運用提案は、金融資産の全体像を把握し反映していない飛車角落ちの提案になっているケースが多く、富裕層にとっては的外れだったりするのだ。

● 担当者が変わる金融機関は 最初から選ばれない

 富裕層が、銀行や証券会社など本邦金融機関との取引を避け、外資系金融機関やIFAに流れる大きな理由には、担当者や組織がコロコロ変わることが挙げられる。富裕層ビジネスを本腰入れてやるのかやらないのか、はっきりしないのだ。

 「長期・安定・保全」な取引を主とする富裕層からすれば、コロコロ変わるのは論外だ。いや富裕層でなくても、担当者や方針がコロコロ変わる金融機関(の担当者)と取引をしたいとは思わないだろう。

 顧客との癒着を防ぐためとはいえ、折角、お互いに慣れてきて少しずつ打ち解けてきたのに、転勤や異動により担当者が代わり、また最初から挨拶し説明し、リレーションを構築するのは、双方にとって面倒だ。



 今までメガバンクや大手証券会社が、富裕層ビジネスを強化するというニュースを何度も目にしてきたが、当該ビジネス部門が「成功している」「純利益が増えた」という続報を聞いたことがない。

 成功していないから組織も施策もコロコロ変わっているのだ。こうした過去の動きや実績も含め、本邦金融機関が、富裕層ビジネスを長期的・永続的に行う意志と計画があるのか、富裕層はしかと見定めているのだ。こうした関係性をよく理解したうえで、組織やビジネスモデルを構築する必要がある。

● 時間を最優先する富裕層には “長い説明”は最大のリスク

 富裕層の多くは、開示したくないのに、家族構成や資産内容や取引金融機関などを根掘り葉掘り聞かれ、担当者がコロコロ変わるたびに、挨拶を受けたりする時間そのものを勿体なく思っていたりする。

 また、営業担当者の金融知識やマーケット感覚がなかったりして、面談時間が長くなったり、話がかみ合わず時間を浪費することも忌み嫌うものだ。

 ルールとはいえ、金融商品購入にあたり、ディスクレーマーやマーケットリスクなどの説明が長いことも避けられる理由の1つだ。結果的に、銀行よりも要領を得た大手証券会社や外資系金融機関の営業担当者やIFAが好まれることになる。

 これは先に挙げた「人と同じはいや」「面倒くさがり」という特徴にもリンクする。さっさと本題に入れない、商品や顧客の理解が甘く説明がたどたどしい、挙げ句の果てにメリットが見えないありきたりな商品を売りつけられるといった状況を富裕層は強く嫌う。

 無駄なことに時間を取られるほうが「リスク」なのだ。

● 銀行をネット証券が 出し抜く可能性も

 富裕層の特徴として、もう1つ忘れてならないのは、金融リテラシーが非常に高いことだ。

 実際に、豊富な投資経験があり、株式や不動産、FXなど各々に成功体験を持つ得意分野や思い入れのある分野があるものだ。銀行や証券会社の担当者よりも金融知識も投資経験も豊富だったりするのだ。

 この先も、(1)そもそも富裕層は開示しない、(2)コロコロ変わるのは論外、(3)時間泥棒が大嫌い、という富裕層の特性を理解した上で富裕層ビジネスを構築し対応しない限り、富裕層の心を掴むことは難しいだろう。

 これは、無論、金融機関だけでなく、不動産会社、ホテルや飲食店など富裕層ビジネスに関わる全ての事業者にもいえることだ。

 いずれにせよ、このままでは富裕層ビジネスにおいても、SBI証券や楽天証券、マネックス証券などネット証券や異業種のネット銀行などが出し抜く可能性がある。

 必要以上にあれこれ開示する必要がなく、担当者がいないのでコロコロ変わることなく、なんといっても24時間365日好きな時にアクセスできる、「富裕層好み」の仕様だからだ。

 大手銀行は富裕層ビジネスをこれ以上続けるべきか、一度立ち止まってみる必要があるのではないか。すべての金融機関が富裕層を相手に収益を上げられるような簡単なマーケットではない。競合他社は証券会社などを含め、数多ひしめいている。

 特に、20億円以上の金融純資産をもつような超富裕層は、資産運用だけでなく相続・事業承継などにおいても、担当者・商品・サービスに対する要求水準も相応に高い。商品ラインナップ、人材育成、コストの観点から、対応できない場合も多くなる。





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Last updated  2026.06.12 00:00:11
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