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2016.01.23
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カテゴリ: 社会・政治・時事

『ぼくらのリノベーションまちづくり』 の嶋田さんの名前も登場します。
 高校在学中から早稲田商店会の活動に参加し、若くして社長に就任した著者。
 その失敗経験を披露しながら、リノベーションについて語ります。

 そこに見られるのは、きれいごとではなく、
 いかにして事業を成功させ、継続させていくかという執念。
 本音で語られた文章には、これまでの著作にはなかった説得力を感じます。
 そして、そこにはこれまでの常識とは違う、新たな指針が示されています。


  お互いのエゴが出て、協力して行うべき取り組みも浅はかになる。
  回り道に見えるかもしれませんが、自分たちで儲かる仕組みを考えることのほうが、
  よほど地域にプラスなのです。        
  にもかかわらず、いまだに「まちづくり」「地域活性化」と言えば
  「補助金を持ってくること」と思い込んでいる人が少なくありません。
  それは愚策中の愚作であるということを、ぜひ念頭に置いていただきたいのです。
  みなさんの地元では、私たちのような過ちを繰り返さないでください。(p.29)

これは、本著の中でも特に重要な部分。
なので、事あるごとに、あちこちで繰り返し記述されています。

  まちづくりは税金でやってもらうのが当たり前、と考えている市民がいまだに圧倒的。
  財政のことなど全く考えもせず、好き勝手に

  それが叶わないとなると、今度は「お役所仕事」「市長はアホだ」と批判する。
  あるいは批判を避けたい役所の側も、公共事業を業者に丸投げしてその場をしのぐ。
  これが本当に正しい“まちをよくしていく”プロセスなのでしょうか。
  日本はある意味恵まれすぎてしまって、なんでも行政がやってくれた時代が続いたことで、
  自分たちで出来ることさえも税金でやってもらおうとしているようにも思えます。(p.47)


そう、著者が言いたいのは「自力でやる」ということ。

  そもそもまちの再生に必要なのは「経済」です。
  行政が税金の再配分で補填するのではなく、
  「まち全体を見据えて、いかに稼ぐか」が重要なテーマなのです。
  よく「あたたかいまち」「心が通い合うまち」といったフレーズを聞くことがありますが、
  これらは全て無責任な“きれいごと”です。
  稼げなければ、衰退するしかない。これは歴史が証明しています。  
  では、縮小する社会環境においてどう稼ぐか。
  全ての産業を横断して地域の限られた資源を活用し、稼ぎを生み出し、利益を残し、
  その利益をさらなる事業に再投資し続けるしかありません。(p.51)

そう、自力でやるためには、
「自分で稼ぐ」しかないということです。

  逆に言えば、だれかカリスマ的または強権的なリーダーがいて、
  その人が頑張り続けないと維持できないシステムは脆いということです。
  既に、どこかで無理が生じている可能性がある。
  日本の組織によくあるパターンですが、リーダーがいなくなった途端、
  ガラガラと崩壊するのではないでしょうか。(p.70)

これは、組織論として、とても共感できました。
私が目指しているのも「自分がいなくても回る組織」をつくることです。
つまり、自分がそこに必要な存在でなくなることが目標というわけです。
もちろん、それが完成したら、自らはそこを去ることになりますが。

さて、著者がまとめた、まちづくりを成功させる「10の鉄則」は次の通り。

  1.小さく始めよ
  2.補助金を当てにするな
  3.「一蓮托生」のパートナーを見つけよう
  4.「全員の合意」は必要ない
  5.「先回り営業」で確実に回収
  6.「利益率」にとことんこだわれ
  7.「稼ぎ」を流出させるな
  8.「撤退ライン」は最初に決めておけ
  9.最初から専従者を雇うな
  10.「お金」のルールは厳格に

さらに、巻末にまとめてくれた「まちを変える10の覚悟」は次の通り。

  1.行政に頼らない
  2.自らが労働力か資金を出す
  3.「活動」ではなく「事業」としてやる
  4.論理的に考える
  5.リスクを負う覚悟を持つ
  6.「みんな病」から脱却する
  7.「楽しさ」と利益の両立を
  8.「入れて、回して、絞る」
  9.再投資でまち全体に利益を
  10.10年後を見通せ

時間を割いて読むに値する一冊でした。





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Last updated  2016.01.24 11:57:04
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