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chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2016.05.15
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カテゴリ: 社会・政治・時事
ドイツのハイデルベルク大学研究グループがSTAP現象の確認に成功した
 にもかかわらず、このニュースはマスコミではあまり取り上げられていない。
 あれだけ大騒ぎした騒動に、大きな変化が生じたのにである。
 なぜ、ベッキーや舛添知事のニュースばかり流し続けるのか?

 しかし、これは今回に限ったことではない。
 2014年7月22日、理研が、そのサイト上で、若山氏がつくりCDBに保管されていた
 STAP幹細胞とされる細胞の遺伝子解析結果を訂正すると発表した際にも、
 その訂正報道は、ほとんどベタ記事扱いに留まった。(本著p.182に記述あり)

 という主張が成り立たなくなり、「捏造」疑惑を左右する大きな訂正だったのにだ。

  実際、すでに紹介した通り、理研が発表した「STAP現象の検証結果」(12月19日)では、
  ネイチャー論文ほどはっきりした形ではなかったにせよ、
  笹井氏が何度も述べていた、そして最後まで希望を託していた
  「STAP現象」が確認されていたのだ。(中略)
  言うまでもなく、この「肝臓由来の細胞をATP処理した時で、
  独立に行った49回の実験のうち37回でSTAP様細胞塊の出現が確認された」
  という検証実験の結果は、 『捏造の科学者』 では一切触れられていない。
  当然、この検証について検討も検証も行われていない
  (不思議なことに、筆者が見た限り、この部分に触れた報道は当時、一切なかった)。


上の引用文中の12月19日は、2014年の12月19日のことであり、
『捏造の科学者』は、この重大発表を前に、筆が置かれている。
その違和感については、本著の中で、大宅壮一ノンフィクション賞のノミネート時期と、
毎日新聞の記者が書いた書籍なのに、出版社が文藝春秋社だったことに絡め書かれている。

  STAP細胞事件に関するメディアの報道は最初からおかしなものだった。

  反対の小保方氏の有利になるような情報はほとんど無視するか、
  小保方氏を揶揄するような記事も多かった。(p.173)

マスコミがこの程度のものだということは、もうバレバレなのだが、
それでも、そこからもたらされる情報を元に、多くの世論は形成されてしまっている。

  真偽の決着をつけるのは、やはり再現実験の可否だろう。
  当面、再現実験に成功していないとしても、それは非存在の証明にはならない。
  実際、iMuSCs論文が登場しており、STAP細胞に近い細胞が作成されている。
  小保方氏が自身のサイト「 STAP HOPE PAGE 」で
  プロトコルとレシピを公開したので、
  いずれ完全な成功者が登場するかもしれない。(p.172)

今回の、ハイデルベルク大の研究は、小保方さんのレシピをそのままなぞったものではないが、
真偽の決着に大きく前進したのではないかと、私は思っている。

  この文章( 『あの日』 p.122)からわかるのは、
  2013年当時は、若山研でも日常的にSTAP細胞の作製が行われていたこと、
  そしてもう一つは、若山研にいた中国人留学生の元研究員も
  中国でSTAP細胞の作製に成功しているということだ。(中略)
  このことが事実かどうかは、若山氏はもちろん、若山研の当時のスタッフ、
  中国人留学生に聞き取りをすればすぐにわかることだ。
  しかし、小保方氏の追及にはあれほど熱心に取り組んだメディアが、
  『あの日』出版後にこうした問題に取り組んだという話は聞こえてこない。
  これもSTAP細胞事件において不可解なことのひとつである。(p.93)

そう、『あの日』に対する反応が、マスコミから驚くほどになかった。
取り合わないことが、大人の対応とでも思っていたのだろうか。

  須田記者はなぜ若山氏に再取材しないのだろうか。
  STAP細胞問題の真相追及にあれほど熱心に取材を進めていたのに、
  なぜ沈黙を守っているのだろうか。
  それは若山氏にも同様である。
  『あの日』には若山氏の行動に対する疑問や批判が随所に登場する。
  なぜ若山氏は反論しないのだろうか。
  なぜ沈黙を守っているのだろうか。(p.156)

これは、著者だけでなく、私も大いに疑問に思うところである。
なぜ、リアクションが全くないのだろうか?
それとも、私が知らないだけで、
実際は何かコメントや、動きがあったのだろうか?

  これまでに見てきた以外にも、本書(『捏造の科学者』)について書きたいことは多い。
  一つは、一連のSTAP細胞騒動が、中心人物の一人笹井氏の自殺という
  大きな悲劇を招き寄せたことに対しての須田記者も含めたメディアの責任について、
  反省も含めほとんど触れられていないことだ。
  『あの日』でも痛烈に批判されているように、
  どう見ても笹井氏を自殺にまで追いつめたことには、
  須田記者も含めたメディア側の責任が大いにあるはずだ。(p.196)

  NHKはなぜこのような取材対象者にけがまで負わせるような取材をしたのだろうか。
  当時は社会的空気として、小保方氏は犯罪人であり、
  そのくらいのことはしてもかまわないという雰囲気が充満していた。
  『あの日』にはそうしたことが繰り返し書かれている。
  1994年の松本サリン事件で、第一通報者の河野義行氏に対して、
  警察のリークに全マスコミが「あたかも河野義行が犯人であるとの前提」で報道を行い、
  のちに報道被害を与えたものとして大きな問題となったことを忘れてしまったのだろうか。
  (p.186)

『捏造の科学者』に書かれていることも、『あの日』に書かれていることも、
そして本著に書かれていることも、どこまでが真実なのか、私には知る術がない。
しかし、言えることは、河野義行さんのような人を決して生み出してはいけないということと、
メディアに携わる人たちには、常にそのことを肝に銘じてほしいということだ。





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Last updated  2016.05.16 00:50:40
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