音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2009年10月17日
XML




 サウスサイド・ジョニー(ジョン・ライオン)は、ニュージャージー出身のロック・アーティストで、70年代~80年代にかけて多くアルバムを残し、2000年代に入ってもコンスタントな活動を続けている。ジョン・ボン・ジョヴィがリスペクトするロッカーとしても知られており、ブルース・スプリングスティーンやリトル・スティーヴン(スティーヴ・ヴァン・ザント)の盟友である。この「イッツ・ビン・ア・ロング・タイム(It's Been A Long Time)」は、1991年のアルバム 『ベター・デイズ』 に収録されたている。同アルバムは、リトル・スティーヴンが大幅に楽曲を提供し、かつ全面的にプロデュースしたものである。

 この曲では、サウスサイド・ジョニーのヴォーカルに加え、ブルース・スプリングスティーンとリトル・スティーヴンがゲスト参加し、3人でヴォーカルを回しながら、サビ部分ではサウスサイド・ジョニーに残る二人が絡んでいる。こうして、昔の盟友が3人集い、一緒に歌っている。それもゆったりとしたロック・ナンバーを演っていて、ギター・ソロもリトル・スティーヴンが短くてシンプルながら、いかにもアメリカンロック然としたソロを演奏している。

 このように"同窓会ソング"のようなノリの曲な訳であるが、ただ過去を振り返っておしまいの駄曲ではない。この曲を録音した当時、彼ら3人は40歳代の前半であった。70年代以降、精一杯突っ走り、時には尖った行動もとり、そうして走り続けてきた結果としての"現在の立ち位置"が確固たるものであるからこそ、昔を振り返り、楽しく演奏を繰り広げられたのだと感じる。スプリングスティーン的に喩えれば、"明日なき暴走"をしてきた先の"明日"はしっかりと存在し、その地点から過去を少し振り返ってみたといったところだろうか。その意味で、"同窓会ソング"と言っても、誰にでもできる類のものではない。それだけのものを積み重ね、功を成してきた者たちが昔を懐かしみながら集ったからこそ、この幸せ感いっぱいの演奏になったのだと思う。

 いま現在、この曲の録音から20年近くが経過した。サウスサイド・ジョニー、ブルース・スプリングスティーン、リトル・スティーヴンの3人は60歳前後の年齢になった。さらに年月を重ねた彼らは、今も独自の活動を精力的にこなしながら、時に集結し、この同窓会のような楽しげな演奏も繰り広げている。別にロック(あるいは音楽)というジャンルに限らないが、人生、このような歳の重ね方をしたいものだ、と切実に思う。こうして昔を懐かしみながらも、くだらないオヤジの愚痴や飲み会(?)みたいにならないのは、各人の日々の努力と苦労の積み重ねがあった上で過去を振り返るからこそである。60歳(あるいは70歳、80歳)となって人生を振り返ったとき、彼らのように過去を懐かしめるように、今から日々精進しておきたいものだ。


[収録アルバム]

Southside Johnny & the Asbury Jukes / Better Days  (1991年)




banner09<br />
にほんブログ村 音楽ブログ ロックへ 人気ブログランキングへ









お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2016年02月04日 09時49分53秒
コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Free Space

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

にほんブログ村 音楽ブログ ロックへ

にほんブログ村 音楽ブログ ジャズへ

にほんブログ村 音楽ブログ ワールドミュージックへ
      ↑        ↑
ランキングサイトに参加しています。よろしければクリックで応援お願いします!
      ↓        ↓
人気ブログランキングへ



↓相互リンク↓

ちょっと寄り道 [音楽の旅]




Calendar

Keyword Search

▼キーワード検索


© Rakuten Group, Inc.
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: