先に『気分はモノクローム(All Over The Place)』について述べたように、バングルス(Bangles)のデビュー時の印象は60年代~70年代にかけての音楽的水脈が80年代型として開花したというものであった。1984年リリースの同メジャー・デビュー盤の後、1986年初頭に発売された本盤では、ポップさと聴きやすさの面で大きな進展があり、良くも悪くも前作とは大きく異なる作品に仕上がった。売り上げも前作と比して大きく伸び、アルバムはビルボードで全米2位、シングルも、1.が全米2位、4.が同4週連続1位という大ヒットぶりを記録した。
1.「マニック・マンデー」は上述のように全米(さらに全英でも)シングル・チャート2位を記録し、バングルスの存在を広く知らしめることになったシングル曲。作者はクリストファーというクレジットがなされているが、これはあのプリンスの変名で、バングルスを気に入ったプリンスが彼女らにプレゼントした曲である。4.「エジプシャン」は、ガールズ・バンドとして初めて全米でシングル1位になった曲で奇抜なPVも強い印象を与えるものだった。そのほか、タイトル曲の2.「シルバー・スクリーンの妖精(In A Different Light)」や7.「ホワット・シー・ウォンツ(If She Knew What She Wants)」、あるいは9.「9月の少女」(この曲は60~70年代に活躍し、先頃亡くなったアレックス・チルトンのカバー曲)といったあたりが、当時のバングルスの音とノリをよく表している。
1.Manic Monday 2. In A Different Light 3. Walking Down Your Street 4.Walk Like an Egyptian 5. Standing in the Hallway 6. Return Post 7. If She Knew What She Wants 8. Let It Go 9. September Girls 10. Angels Don't Fall in Love 11. Following