音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2010年10月11日
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 2003年(厳密には2003年2月から2004年1月まで)は、全米を挙げての“ブルース年”だった(エリック・クラプトン 『ミー&Mr.ジョンソン』 の項も参照)。1903年は後にブルースを広めることになるW.C.ハンディがブルースに遭遇した年とされ、一説ではこの年が“ブルース誕生の年”と言われるらしい。これを受けて米国議会は2003年に“ブルースの年”を宣言したというわけだ。お上が決めた(しかも特定の一説に基づいて誕生100年と決めつけた)ブルース年なんて、多くのミュージシャンにとって関係ないと言えばそれまでかもしれない。けれども、各ミュージシャンの実際の活動には影響を与え得る。彼らもミュージシャンという“職業”に従事しているわけで、それに関連した仕事を依頼されるとか、こういう年だからこそあるプロジェクトが実現しやすかったとかいう要素はあったわけだ。

 本盤『ホンキン・オン・ボーボゥ(Honkin’ on Bobo)』は、エアロスミス(Aerosmith)によるブルース・ナンバーを中心としたカバー曲集である。たとえ本人たちが否定しようとも、やっぱりこのブルース年というタイミングと無関係ではなかったように思う。エアロスミスは、ブルース年などとは無関係に、以前からこういうアルバムを作りたかったのかもしれない。けれども、結果的にはブルースというキーワードで全米が盛り上がったタイミングでのリリースとなった。

 ところが、ブルースを意識して本盤を聴くと、拍子ぬけな感じがするに違いない。というのも、出てくる音が全然ブルースを連想させない雰囲気のものだからだ。ひょっとして、「全編エアロスミスの新曲です」(注:実際にはオリジナルは8.「ザ・グラインド」の1曲だけ)とウソの解説をしたら、「へ~なるほど」と思う人すらいるかもしれない。そんな仕上がりになっている時点で、筆者はこのアルバムの出来とか成功とかいう点では、エアロスミスの勝ちだったと言えるのではないかと思う。過去の他人の曲を取り上げながら、出来上がりはどこを切ってみてもエアロ節。若い頃の彼らにはできなかった芸当だろう。長年同じバンドを続けてきたからこそ出来上がった“色”があり、取り上げた楽曲を見事その色に染めている。

 ちなみに原曲(あるいは過去の有名ヴァージョン)にいくつか触れておくと、1.はボー・ディドリー(1959年)、3.はソニー・ボーイ・ウィリアムソンII世(1951年)、7.はかつてストーンズもカヴァーしている。9.はマディ・ウォーターズ、10.はリトル・ウォーターの1950年代の発表曲。11.はピーター・グリーン時代のフリートウッド・マックで知られる。こんな多彩な楽曲群を自分色に染められるのは、本当に経験と貫禄のなせる業としか言いようがない。



[収録曲]

1. Road Runner
2. Shame, Shame, Shame

4. Baby, Please Don't Go
5. Never Loved a Girl
6. Back Back Train
7. You Gotta Move
8. The Grind
9. I'm Ready
10. Temperature
11. Stop Messin' Around
12. Jesus Is on the Main Line

2004年リリース。




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Last updated  2010年10月12日 22時05分30秒
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