1970年代半ばにオーストラリアのメルボルンで結成され、70年代末から80年代初頭にかけて人気を得たリトル・リバー・バンド(Little River Band、リトル・リヴァー・バンドとも表記、略称LRB)。今とは違いオーストラリア発の世界的ヒットなど考えられなかったような時代に海外に売り出し、米国でトップ10のシングル・ヒットを複数残した。だがそのブームも80年代初めまでで、その後は80年代を通して彼らはどんどん忘れ去られていった。現在に至るまでバンド自体は存続するが、メンバーはすっかり入れ替わってしまっている。
彼らのラヴ・バラードの定番と言えば、米国で最も多くラジオでオンエアされた曲とされる「リミニッシング(追憶の甘い日々)」が何よりも有名である。けれども、彼らには、これに劣らぬ美しいラヴ・ソングが他にもいくつかある。そのうちの一つが、1988年発表のアルバム『モンスーン』に収録されているこの「ラヴ・イズ・ア・ブリッジ(Love Is A Bridge)」である。本国オーストラリアではヒットシングルになったものの、それ以外の国ではさしたる話題にもヒットにもならなかった曲だが、個人的な好みや思い入れ存分に言わせてもらえば、このバンドの“らしさ”が存分に発揮されたなかなかの名スローナンバーだと思っている。