音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2011年04月26日
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テーマ: 洋楽(3388)
軽快なリズムの80年代ヒット曲


 英国の音楽誌ニュー・ミュージカル・プレス(一般にNMEの略称で知られる有名音楽誌)の記者をしていたクリッシー・ハインド(Chrissie Hynde)によって結成されたバンドがプリテンダーズ(The Pretenders)である。つまりは、音楽ライターからバンドリーダーへの転身というわけだが、当の本人であるクリッシーにしてみれば、記者としてアーティストたちやその作品を目にする中で“これなら自分にもできる”という自信を抱いての転身だったのだろう。

 時代を振り返れば、その当時、ロックは迷走していた。ロンドンではパンク・ロックのムーヴメント(1977年のいわゆる“ロンドン・パンク”)が起こり、しかもそれは短期間で終息する。そんな中からポスト・パンク、ニュー・ウェーヴといった新たな流れが生まれてくるわけだが、これら一連の流れは、いわば“既存ロックの否定”という側面を持っていた。プリテンダーズは、いわば混迷の時代の寵児の一人とも言っていいのかもしれない。

 クリッシー率いるプリテンダーズは、1979年にデビュー・シングル、1980年に初アルバムをリリースした。デビュー・シングル「ストップ・ユア・ソビン」はキンクスのカバーで、この曲に代表されるように、心地よいストレートなロックをプリテンダーズは展開していった。MTV時代が到来し、80年代特有の華やかなサウンドが世間を席捲しても、プリテンダーズのスタンスは変わらず、基本的にシンプル&ストレートな良質なロックを提供し続けた。

 そんな彼らの代表的ヒット曲の一つがこの「ドント・ゲット・ミー・ロング(Don’t Get Me Wrong)」である。1986年に発表されたアルバム 『ゲット・クローズ』 収録のシングル曲で、翌年リリースのベスト盤(『ザ・グレイト・プリテンダーズ(原題:The Singles)』)にも収録された。米ビルボードのシングル・チャートで10位、同様に英国でも10位のシングル・ヒットとなった。感情をストレートに出せない女性の心境を描写した内容の歌だが、サウンド面では、リラックスして肩の力を抜きながらも、心地よくストレートにロックしている。ビデオクリップがいかにも80年代なのはご愛嬌として、日本では自動車のCMやら朝の情報番組のテーマ曲に採用されたのも、テンポの良さを考えればそれも頷ける。


 以下、興味のある方は、下手なドラマ仕立てが微笑ましい(それも80年代的というべきか?)、公式のPV映像をどうぞ。





[収録アルバム]

Get Close  (1986年)
The Pretenders / The Singles (1987年)←ベスト盤






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