イエス(Yes)というグループの名を聞いて、多くの人がはじめに思い浮かべるのは、『こわれもの(Fragile)』(1971年)や『危機(Close To The Edge)』(1972年)といった盤ではないだろうか。もちろん、これらの作品は超名盤であり、彼らの頂点を示す代表作と言ってよいと思う(特に筆者は『危機』が好きである)。そして、というか、それゆえに、その陰であまり注目されないのが、これらよりも少し後にリリースされた『海洋地形学の物語(Tales From Topographic Oceans)』という2枚組の大作である。