音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2012年02月07日
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テーマ: 洋楽(3310)




 リック・スプリングフィールド(Rick Springfield)はシドニー出身のミュージシャン、俳優。高校中退後に地元でバンド活動をし、1972年に渡米しデビュー。しかしブレイクすることはなく、不遇の時期を過ごす。しかし、1981年のテレビドラマ出演が契機となり、ミュージシャンとしても再デビュー。そのルックスの良さもあいまって「ジェシーズ・ガール」が全米1位を獲得、グラミーの最優秀男性ロック・ヴォーカルも受賞した。

 同曲を含む1981年の再デビュー第1作『ジェシーズ・ガール(原題:Working Class Dog)』、翌年の第2作『アメリカン・ガール(原題:Success Hasn’t Spoiled Me Yet)』に続き、1983年に出された第三作がこの『リビング・イン・OZ(Living in OZ)』であった。と言うと、前2作からの続きという感じがするかもしれないが、実際には前2作がまだアイドル的であったのに対し、この第3作のあたりからは次第にアーティストとしての志向が表れていくことになる。リック・スプリングフィールドの自作曲(本作では3.のみ共作で残りはすべて単独のクレジット)のよさも実によく伝わってくるし、何よりもティム・ピアース(90年代にはリック・スプリングフィールドとプロジェクトを結成することになるギタリスト)の参加が演奏に厚みを加えている。

 オープニングの1.「ヒューマン・タッチ」からして元気とパワーに溢れている。お勧め曲をいくつか挙げておくと、まずは、5.「ミー&ジョニー」。若き日の想い出を自叙伝風に仕立てたもので、プレスリー、ビートルズ、ストーンズを夢見ていた音楽仲間のジョニーと自分自身を歌ったもの。8.「ソウルズ」は、ストレートなロック・ナンバーで、この手の曲はリック・スプリングフィールドのヴォーカルのよさが顕著によく表れるように思う。アルバムを締めくくる10.「ライク・ファーザー、ライク・サン」はストリングスを使った哀愁のある曲調だが、この数年前に亡くなった彼の父のことを歌ったもの。

 とまあ何曲か挙げては見たが、何と言っても本盤最大の聴きどころは、表題曲の4.「リビング・イン・OZ」。上記8.と並んで直球なロック・ナンバーで、持ち味が存分に発揮されているのに加え、故郷オーストラリア(OZ)を題材にしているのも、当時の音楽シーンを振り返ると何とも感慨深い。オーストラリアからアメリカ進出のきっかけを作ったリトル・リバー・バンド、その後、80年代にかけてその道を追い、さらに切り開いてきたエア・サプライやメン・アット・ワーク…。リック・スプリングフィールドもまた、その流れにあるオーストラリア発のアーティストであった。今のボーダレスな時代からするとイメージしづらいだろうが、ある時点までは、オーストラリアから全米級のスターは生まれ得なかった。そんな時代がかつてあり、リック・スプリングフィールドは先達の道をさらに切り開き、それを変えて行ったアーティストの一人であった。



[収録曲]

1. Human Touch
2. Alyson
3. Affair of the Heart

5. Me & Johnny
6. Motel Eyes
7. Tiger by the Tail
8. Souls
9. I Can't Stop Hurting You
10. Like Father, Like Son

1983年リリース。






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Last updated  2012年02月07日 07時02分50秒
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