音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2015年06月17日
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テーマ: 洋楽(3408)




 ザ・キンクス(The Kinks)と聞けば、“60年代のグループ”という印象を抱いている人も多いのではないだろうか。似たようなことは、ローリング・ストーンズにも言える部分があると思うけれども、ストーンズがコンスタントに英米両方で(さらには世界で)人気を集めていったのに比べると、確かにキンクスは見劣りする部分もある。

 しかし、そのストーンズとの比較でキンクスが凄いと思える部分もある。それは、80年代以降のストーンズがある種マンネリ化してそのスタイルが“芸”に変わっていったのに対して、キンクスの方は、良くも悪くもバンドとしての変化や展開がその活動の中に見られた点ではないだろうかという点である。

 60年代の 「ユー・リアリー・ガット・ミー」 に代表されるイメージのキンクスは、60年代末から70年代にかけて執拗なまでにコンセプト・アルバム群を出し、70年代後半にはアリスタに移籍し、また異なる傾向のアルバム(この辺も結構個人的には好きだったりする)を産み出していった。その成果もあって、80年代に入ってからは、米進出を成功させる。そうしたアメリカでの成功の時期で際立ったアルバムと言えば、この『ステイト・オブ・コンフュージョン~夜なき街角(State of Confusion)』だったのではないかと考えている。

 メンバーがまったく一緒というわけではなく、時代の音楽的環境は劇的に違っているにせよ、このアルバムの曲を演じているのが、「ユー・リアリー・ガット・ミー」と同じバンドとはふつう思えないのではないか。それはこのバンドが彼ららしさを失わないまま、変化してきたその結果に他ならない。

 何と言ってもカッコよさでNo.1なのは、表題曲の1.「夜なき街角(State of Confusion)」。米国向けの太いサウンドがこの時期のキンクスの特徴の一つではあるが、そんな中にも以前からのキンクスらしい軽さ(“軽さ”というと表現は悪いが、“ユーモア”や“肩肘張り過ぎない部分”と言い換えてもよい)が見られる。その典型は、全米6位(キンクスのシングルとしてはアメリカで最高位の記録)となった4.「カム・ダンシング」。自分たちらしさを失わずに変化を遂げていく…。簡単なようで難しいことを難しくなさそうに表現できるのがキンクスだったと言うと大げさかもしれないが、敢えてそのように言っても外れていないように思う。



[収録曲]
1. State of Confusion

3. Labour of Love
4. Come Dancing
5. Property
6. Noise
7. Don't Forget to Dance
8. Young Conservatives
9. Heart of Gold
10. Clichés of the World (B Movie)
11. Bernadette

1983年リリース。






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Last updated  2015年06月17日 21時52分20秒
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