書評日記  パペッティア通信

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Jan 1, 2006
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謹賀新年!

『書評日記 パペッティア通信』を
本年もよろしくお願い申しあげます。

本来なら、年内にもやっておきた
かった、ベストテン企画。
何分にも、生来遅筆で怠けん坊。
未レビュー本も多い。年内発刊
され、とっくに読了しながら未紹
介のままの書籍は、この企画で
どのように扱えばいいのか。


このベストテン企画にランクインしそうな、未紹介の面白い書籍もあったんですよね。参ったね、どうも。

レビューだけで100冊を軽く越えているこのブログ(書籍は114冊)。

「何が面白いのか」


これについて、いささか不親切であったように思えます。
皆さんにも、それが一目でわかるようにするためにも、あえて書いてみることにしました。ご笑覧くだされば幸いです。


10位  鈴木孝昌 『現代中国の禁書 民主・性・反日』 講談社+α新書 10

激変する中国社会について、文化・言論を中心としたルポルタージュ。文春を中心として、くだない中国関連新書が山のように発刊される中では、希有の面白さをもつ。この本で紹介された『中国農村調査』は、現在、日本語訳されて刊行された。

7位  加藤徹 『西太后』 中公新書

8

西太后は、なぜあれほど中国の人々に愛されているのか。生誕から死までを丁寧にフォローした、権力闘争あり、美食文化ありの一大王朝絵巻。西太后という存在を通して、「現代中国のプロトタイプ」、清朝末期を鮮やかに描き出した傑作。

7位  ガヤトリ・C・スピヴァク 『デリダ論  「グラマトロジーについて」英訳版序文』(田尻芳樹訳) 平凡社ライブラリー

9

従軍慰安婦、ジェンダー、フェミニズム。近年保守勢力は、こうした現象に感情的・妄想的攻撃に終始している。それは、黒幕と理論について、理解を欠いているためにすぎない。「カル・スタ」「ポス・コロ」の大御所、スピヴァクの旅路の出発点。

藤木久志 『刀狩り』 岩波新書 

7

刀狩りでも廃刀令でも、民衆は武装解除されていなかった。武器使用を<自主的に封印>しただけにすぎないという。この筆者には、NHKブックスをはじめ、面白い書物が多い。民衆武装史の根本的な再検討をせまる、筆者渾身の入門書。

6位  山之内克子 『ハプスブルクの文化革命』 講談社選書メチエ

6

「余暇/娯楽」と「労働」が未分化だった、前近代。近代の2つの分化は、「参加型」から「受動型」へ、民衆の身体レベルの変容をともなったばかりか、王権のあり方といった「公共性」の構造的転換さえひきおこした。近代を考えるには必読書。

5位  島泰三 『安田講堂 1968-1969』 中公新書

5

1960~70年代、なぜ若者たちは、オール日本(自民~共産党)相手に学園紛争を戦ったのか。40年近い沈黙を破ってわれわれに届けられた、「砦の上に我らが世界」安田講堂落城にいたる、1年あまりの苛烈かつ絶望的な戦いを描いた大著。


北田暁大 『嗤う日本の「ナショナリズム」』 NHKブックス

4

本来ありえぬ「嗤うナショナリスト」がなぜ存在可能か。「反省」形式から精神史を切りとる壮大な理論で、プチナショナリズムの正体が、連合赤軍思想の再現前であることを指摘する。アイロニーと反省の構造転換・終焉を論じる、痛快「2ちゃんねる論」

以下、ベスト・スリーの発表!!

3位  岡田暁生 『西洋音楽史』(1) (2)中公新書

3

言葉から独立した「西洋クラシック音楽」は、どのような経路をたどって、今の「前衛」「過去の名曲再演」「ポピュラー音楽」に分裂したのか。演奏者・音楽ファンからヨーロッパ旅行者まで楽しめるように配慮された、未曾有の西洋音楽通史。

2位  興梠一郎 『中国激流 13億のゆくえ』(1) (2)岩波新書

2

現代中国をむしばむ、政治・経済のさまざまな構造的問題。中央・地方関係、環境汚染、所有権問題、三農問題、バブル経済、労働争議、国営企業問題…マスメディアに踊る中国関連報道の「意味」を曲解することなく理解するためには、必見の書!


そして栄えある1位は!!!

吉見俊哉 『万博幻想 戦後政治の呪縛』 ちくま新書

2

高度成長後、開発主義と大衆の豊かさ願望をすくいあげるために、再演され続けた「万博政治」。大阪、沖縄、つくば、愛知万博…知識人と国家、市民と国家の対話と意思形成はどのような展開をとげたのか、この国の政治を万博から逆照射する。


う~む。

トップ3の3作品は、奇しくもみな新書になってしまいました。しかも、当初の予想通りというので、長く読者をやっておられた方にとっては、面白くないものかもしれません。新書は、安さ・手軽さ・コンパクトさでは、選書以上。こうした結果は仕方がないのかも。この10冊以上に面白い、人文・社会科学系の新書・選書はこれだ!!!!という方は、ぜひともご一報ください。(なお、専門書は除外してあります)。

それでは、今年度もよろしくお願いいたします。

春秋子拝

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Last updated  Apr 4, 2006 08:57:39 PM
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