《櫻井ジャーナル》

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2011.02.01
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 親米/親イスラエルの独裁者としてエジプトを支配してきたホスニ・ムバラク大統領の命運は尽きたとイスラエルも判断したようで、 イスラエルのシモン・ペレス大統領がエジプトの独裁体制崩壊についてコメント、ムバラクは尊敬すべき人物だったと発言

 また、エルサレムを訪問中のドイツのアンゲラ・メルケル首相に対し、ベンヤミン・ネタニヤフ首相は月曜(1月31日)、エジプトでイスラムの急進勢力が力を持つかもしれないと警告している。イランのイスラム革命が再現されることを懸念しているわけだ。

 イスラエル政府から「高く評価」されれば、それだけイスラム世界では憎悪の対象になるわけで、閣僚は沈黙を守ってきたが、週末からベンヤミン・ネタニヤフ政権は主要十数カ国に派遣されている大使へ、エジプトの安定化を強く訴えていたという。つまりムバラク体制を守れということだが、手の施しようがない。

 ネタニヤフはエジプトを支える必要がある理由のひとつとして、体制が安定していたことを挙げているが、より正確にいうならば、安定した親イスラエル国家だからである。イスラエルの言いなりにならない安定した国なら、イスラエルはあらゆる手段を使って潰そうとする。1990年代、アメリカのネオコン(親イスラエル派)はサダム・フセインの排除に絡み、イスラム社会の混乱を望んでいることも示している。

 イスラエル国内ではムバラク体制を守りきれなかったアメリカのバラク・オバマ大統領を裏切り者と罵倒する声も出ているようだが、世界的に見るならば、独裁体制を支えてきたアメリカ政府が非難されている。そうした反民主主義的な姿勢を維持する理由を明確に語ったのが 米国務省の広報担当、P. J. クロウリー だった。イスラエルと友好的な体制は支えるというわけだ。イスラエルに引きずられ、アメリカ政府の立場は悪くなったのが事実だろう。

 抵抗運動が高まる中、ムバラクはオマール・スレイマンを副大統領に指名したのだが、この人選は最悪である。この人物はエジプトの情報機関EGIS(エジプト総合情報局)の長官で、拷問の責任者でもある。

 2001年9月11日の「航空機突入事件」があって間もなく、アメリカからの圧力で、パキスタンの治安部隊はオーストラリア国籍のマムドウ・ハビブなる人物を拘束、拷問している。



 もっとも、ムバラク体制の限界をアメリカの支配層も感じていたことは間違いない。ムバラク大統領へ助言するだけでなく、「反ムバラク派」の「4月6日運動」とも2008年には接触しているのである。この人脈だけでなく、ほかのルートも通じて「反ムバラク派」へアメリカは何らかのアプローチをしていただろうが、そうした工作が機能するかどうかはわからない。

 アメリカの「傀儡システム」ができあがっている日本とは違い、エジプトでムバラク体制が倒れた意味は小さくない。またまた、イスラエルが「核兵器カード」に手を伸ばす可能性もある。





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最終更新日  2011.02.01 15:04:23


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