《櫻井ジャーナル》

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2011.06.09
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 日本の利権集団は「東日本大震災」での焼け太りを狙っているようだ。復興財源として国債の発行や消費税の増税、結局のところ庶民へ負担を押しつけ、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)を導入しようとしている。ついでに原発事故に伴う損害も庶民に尻ぬぐいさせ、東電を救済しようとしているように見える。強者総取りの新自由主義経済をあくまでも推進するということだ。

 その新自由主義経済を世界に広めてきたアメリカは、そうした政策のために崩壊寸前である。国の富が一部の集団に流れているということだ。そうした流れを促進している最大の要因が税制。つまり、ジョージ・W・ブッシュ政権が強行した富裕層や大企業に対する大幅な減税である。勿論、戦費負担も大きいのだが、富裕層/大企業への減税政策に比べると影響は小さい。

CBPP

 社会的に優位な立場にある集団に富が集中する政策を推進した結果、庶民は貧困化し、社会を循環する資金が枯渇して貧困化が進み、不景気になる。不景気による財政の悪化も根は富裕層への優遇策だ。富裕層/大企業を優遇する政策を日本も推進、アメリカと同じ問題が生じているのだが、それは利権集団にとっては好ましい傾向。日本という国がどうなるかを心配しているようには見えない。

 日本で原子力が推進されてきた大きな理由はふたつある。核兵器を製造する能力を手に入れることと、莫大な利権である。核兵器への憧れがベースにはあるだろうが、これだけ原発を作ってきた理由は利権システムにある。原発は放射能とカネを同時に吐き出す怪物だとも言えるだろう。怪物から受け取る資金は社会に還流されず、投機、つまり博奕に使われて社会は疲弊する。この怪物を退治しなければ、子どもたちに未来はない。

 新自由主義は強欲を信仰する宗教にすぎない。どれほど数式が並んでいようと、その根本にはマーケットという偶像が鎮座しているだけだ。世界的に見れば、こんな神話/教義はとうの昔に破綻している。

 こうした宗教によって、アメリカでは1%の人間が全年間収入の4分の1を手にし、富の約4割を支配しているのだという。教団を維持するため、集めた資金の一部は政治家や官僚だけでなく、アカデミーの世界やメディアにも流れる。2001年にノーベル経済学賞(アルフレッド・ノーベル記念経済学スウェーデン国立銀行賞)を受賞した ジョセフ・スティグリッツに言わせると 、こうしたアメリカの状態は「1%の、1%による、1%のための」システムだ。

 大企業、政治家、官僚、学者、報道機関で作られる利権構造は、日本にも存在する。アメリカより日本の方が強固かもしれない。原子力利権はそうした構造の一部であり、戦争がなくならない理由も根は同じだ。強欲を善とする考え方が世の中を動かしている限り、人類が死滅するまで、怪物は何度でも生き返る。





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最終更新日  2011.06.09 23:09:40


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