《櫻井ジャーナル》

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2011.09.15
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 津波だけが事故の原因だとする主張がIAEA(国際原子力機関)で通らなかったのかもしれないが、福島第一原発の核燃料棒がメルトダウン(溶融)したのは操作ミスが原因であるかのような話が流されている。事故の原因を津波に全て押しつける説明が説得力をなくす中で登場した新たなストーリーだ。

 穿ちすぎかもしれないが、津波に襲われず、人為ミスがなければ原発は安全だから原発を再稼働させよう、そんな思惑も感じてしまう。ただ、故障や人為ミスは如何なる技術にも付きものであり、これがなければ、という議論は無意味なのだが。

 人為ミスの可能性が指摘されている一例として、非常用冷却装置の問題がある。3月11日14時46分に福島第一原発の近くで巨大地震が発生、圧力容器内の圧力が急上昇した。それに対し、14時52分にA系とB系ふたつの冷却装置が起動したのだが、11分動いたところ人為的に止められた記録が残っている。これが問題になっている。ちなみに、津波の第1波に襲われたのは15時27分のことだ。

 18時10分に冷却装置は再び起動するのだが、このときはA系だけが動いている。このときは15分で止められた。そして最後に開いたのが21時30分だが、このときも動いたのはA系だけである。

 もしこの冷却システムを止めなければメルトダウンしなかったかのように主張する人もいるのだが、例えば、地震で再循環ポンプと圧力容器をつなぐパイプが破損していたような場合、非常用冷却装置を動かし続けたならば、すぐに水がなくなることが予想されるので意識的に止められた可能性がある。勿論、問題なくA系とB系が機能したとしても、冷却能力には限界があり、メルトダウンを防げたとは断定できない。

 最近になって出てきた例としては、日本原子力研究開発機構によるコンピュータ解析がある。2号機では14日の16時までに注水すればメルトダウンは防げた可能性があるとしているのだ。12日の段階で1号機から3号機までメルトダウンしているとも推測されているので、シミュレーションの条件などについて専門家による検討を待つ必要があるだろう。

 12日の15時36分には1号機で水素爆発、14日の11時1分には3号機で激しい爆発があった。3号機も水素爆発だったとする説もあるが、上空に向かって直線的に煙が噴き上がっている様子からしても核暴走と考える方が合理的だろう。水素爆発なら、水素は建屋の上部に溜まっていたはずで、爆発すれば煙は球形に広がるのではないだろうか。

 つまり、エネルギー関連のコンサルタント会社、フェアーウィンズ・アソシエイツ社で主任エンジニアを務めているアーニー・ガンダーセンさんが指摘しているように、使用済み核燃料プールの内部で核暴走が起こり、プールが大砲のような役割を果たして上空へ向かって煙が激しく噴出したと考えた方が理解しやすい。

 ガンダーセンさんの説を採れば、福島第1原発の敷地から約2キロメートルの場所で核燃料棒の破片が見つかった理由も納得できるのだが、これに関しては別の説もある。 破片は圧力容器からのもの

 格納容器がどうなっていたのか、温度や放射線量がどのように変化しているかを測定できる特殊なカメラが建屋の中に設置してあったはずなので、機能していれば状況の把握に役立つことは間違いない。 このカメラを設置したのはイスラエルのマグナBSP 。事故の1年前にセキュリティ・システムを設置、その際、特殊カメラもセットしていたのだ。カメラはどうしたのだろうか?

ハーレツ紙によると、マグナBSPが設立されたのは10年前で、拠点はディモナ 。事故後も同社は何人かを現地に残していたとハイム・シボニCEOは語っていた。

 また、ECCS(非常用炉心冷却装置)の中の冷却系の蒸発システムが取り外されていたという話も人為ミスのひとつにされているようだが、中性子の照射で圧力容器が脆化していたとするならば、ECCSを動かしたら一気に容器が破壊されると判断して外した可能性もある。





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最終更新日  2011.09.16 00:34:17


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