《櫻井ジャーナル》

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2011.09.18
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 来年はアメリカで大統領選挙がある。民主党は現職のバラク・オバマだろうが、共和党はまだ多くの人が候補者として名を連ねている。2008年の選挙では「チェンジ」というフレーズで人気を得たオバマだが、結局目立った変化をもたらすことができず、戦争は続き、景気は低迷ということで苦戦を強いられている。

 オバマが再選されなかったとしても、アメリカの置かれた状況が好転することはありそうにない。イランに関しては、オバマ政権よりも強硬、つまり攻撃すべきだとしている。ロン・ポールは軍事費やイスラエルへの支援も削減する意向を示しているが、支配層の支持を得ることは難しいだろう。

 アメリカを含む西側の不況は経済構造に根ざしたもので、解決は難しい。チリで最初に導入され、「先進国」ではマーガレット・サッチャー英首相が採り入れた新自由主義経済とは、富を一部の人間に集中させて「カネ余り」という現象を作ると同時に庶民を貧困化させる仕組み。一部に滞留した資金が投機市場に流れ、「カジノ経済」が出現したのは当然のことだ。

 そして戦争。アフガニスタンやイラクを先制攻撃して軍需産業は大儲け、傭兵ビジネスも急成長した。破壊した街を造り直すという仕事もある。

 ただ、問題は誰がカネを出すのかということ。とりあえずはアメリカ政府が出すわけだが、そんなことをしていれば財政は破綻する。どこからかカネも持ってくる必要がある。日本も狙われているだろうが、戦争が儲かるのは侵略した先で略奪するから。中東なら石油ということになる。

 イランの石油も欲しいだろうが、北アフリカのリビアでは「西側」が石油利権を奪うことに成功したが、早くも内部で利権争いが起こっているようだ。

 リビアのムアンマル・アル・カダフィ政権を倒す目的のひとつは、アフリカ中南部の自立を阻止するということにあった。カダフィ政権はアフリカ中南部の自立を支援、イギリスやフランスの利権を脅かしていたのである。

 リビアの内戦では 肌の色が黒いというだけで反カダフィ軍に拘束され、行方不明になっている人が続出 している。その一部は処刑されていると言われている。それだけでなく、反カダフィ軍/NATO軍による市民の虐殺も問題になりはじめている。劣化ウラン弾の使用も指摘され、今後の影響が懸念されている。市民の命を守るなどという最初の大義名分はどこにも見あたらない。

反カダフィ軍の主力はアル・カイダと緊密な関係にあるLIFG(リビア・イスラム戦闘団) 。反カダフィ軍が新政権を作るとするならば、親リビア軍はアル・カイダ系の軍隊ということになる。

 武器庫から消えた兵器はアル・カイダのネットワークで中東全域に広がっている可能性がある。 8月にアメリカ軍のヘリコプターを撃墜 したミサイルはリビアから流れたものではないかとも噂されている。

 新自由主義経済の暴走を止められず、「先進国」の経済は破綻している。その破綻を新たな植民地政策で乗り切ろうとしているようにも見えるが、昔とは違い、難しいだろう。「船が沈めば1等船室の客も助からない」と考えて富の集中にブレーキをかけるべきだとする意見も支配層の内部から出てきているが、「船が沈むならボートで逃げればいい」と考えている人も多い。グローバル化の進んだ現在、逃げ込む場所は見あたらないが。





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最終更新日  2011.09.19 03:53:31


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