《櫻井ジャーナル》

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2011.09.20
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 脱原発を訴える「 さようなら原発5万人集会

 集会には予想を上回る6万人が集まったようだが、読売新聞やテレビは約3万人と報道している。現場にいれば3万人という数字が事実と乖離していることは明白なのだが、警察発表の2万7000人に配慮したのだろう。

 昔から、警察は主催者発表を半分にした数字を「推定」として発表している。今回、主催者が事前に「5万人」と言っていたので、警察は「2万5000人」を推定数字として想定し、予想より多かったので2000人増やしたのだろう。それでも警察の数字が小さすぎることは明白だったので、読売新聞などはさらに3000人増やしたのかもしれない。が、その程度では警察発表の垂れ流しの範囲内だ。

 19日には細野豪志原発相はウィーンで開かれたIAEA(国際原子力機関)の総会で演説し、「冷温停止」を年内に達成するという目標を掲げた。原子炉の冷却システムが1気圧で華氏200度(摂氏95度)まで低下、再沸騰の可能性がなくなった状態なのだというが、この定義にはシステムが正常に作動しているという前提があるはずだ。

 事故発生から現在に至るまで日本の政府や東京電力は重要な情報を開示せず、偽情報を流し続け、そうした情報操作に大手メディアは協力してきた。原発推進団体のIAEAからも日本政府や東電の情報隠蔽は批判されるほど情報操作はひどいのだが、それでも原発のシステムが機能していないことは明らかである。

 稚拙な情報操作は原発を推進する上でもマイナスだとIAEAは考えているようだが、IAEAも原発推進が目的なわけで、福島第一原発の「安全宣言」を早く出したいとは思っているはず。「冷温停止」の話も裏ではシナリオができているかもしれない。

 しかし、福島第一原発の事故を人為的に収束させられる状態だとは思えない。少なくとも1号機では溶融した燃料棒が周囲の危機を溶かしながら圧力容器の底に落下し、底を何らかの形で通過して格納容器の底へ落ちていると考えられている。制御できていないということである。

 燃料棒の融点が二千数百度だということを考えると、床のコンクリートと反応しつつ沈み込み、融点が一千数百度である鋼の壁を溶かし、その下のコンクリート、さらに地中へという道筋のどこかにあるはずである。



 新たに設置したという「冷却システム」もコンクリート、あるいは地面の中にある溶融物を効率的に冷却できているとは思えず、この状態を「冷温停止」と呼ぶことはできない。

 建屋の下にあるコンクリートに地震で無数の亀裂が入っていると考えられていたが、そうした 亀裂から1日に数百トンの地下水が流れ込んでいる可能性 があると東京新聞は報じている。地中なら勿論、溶融物がコンクリートの内部にあっても、その亀裂から放射性物質が漏れ出ていると考えなければならないだろう。

 福島第1原発の敷地から1マイル強(約2キロメートル)ほどの場所で見つかったという核燃料棒の破片の問題も無視できない。エネルギー関連のコンサルタント会社、フェアーウィンズ・アソシエイツ社で主任エンジニアを務めているアーニー・ガンダーセンさんは3号機の使用済み燃料プールから飛んできたと考えている。つまり、プールの内部で核暴走が起こり、プールが大砲のような役割を果たして上空へ向かって煙が激しく噴出したというシナリオだ。

 これに対し、 NRC(原子力規制委員会)のゲイリー・ホラハンさんは圧力容器の内部にあった燃料棒の破片だと語っている 。この推測が正しいならば、「ベント」の時に放出されたのか、さもなければ、これまで知られていないような爆発が圧力容器か格納容器の内部であり、壁を壊して飛び散ったということも考える必要が出てくる。

 いずれにしろ、日本政府や東電の宣伝とは違い、福島第一原発はまだ安心できる段階にはない。





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最終更新日  2011.09.20 16:23:44


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