《櫻井ジャーナル》

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2011.09.21
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 政治家,官僚、大企業経営者たちの多くが原子力政策の推進を望んでいるのに対し、庶民の中で「脱原発」を支持する声が高まっている。9月19日に東京の明治公園で開かれた 「さようなら原発5万人集会」

 6万人は決して小さな数字でないが、それ以上の盛り上がりを見せた出来事もある。例えば、1960年5月20日には約10万人のデモ隊が国会を取り巻き、6月4日には全国で460万人が参加したというストライキが実行されている。5月19日に国会へ警官隊を導入、会期の延長を自民党が単独で採決し、20日の未明に新安保条約が採決されたことを受けての抗議活動だった。

 6月10日にはホワイトハウスの報道官だったジェームズ・ハガティを乗せた旅客機が羽田空港に降り立ち、警察の護衛なしに空港出口に向かってデモ隊の中へ突っ込み、アメリカ海兵隊のヘリコプターで脱出するという出来事があった。

 いわゆる「ハガティ事件」だが、その3日前、岸信介首相はマスコミの幹部を官邸に呼びつけている。読売新聞の正力松太郎社主、産経新聞の水野成夫社長、NHKの前田義徳専務理事、毎日新聞の本田親男会長、東京新聞の福田恭助社長をそれぞれ個別に官邸へ呼び、その翌日には共同通信、時事通信、中日新聞、北海道新聞、西日本新聞、日経新聞、さらに民放の代表を招き、9日には朝日新聞の代表にも協力を要請している。駐日大使のダグラス・マッカーサー2世も7日に各新聞社の編集局長を呼んで「懇談」したという。

 そして6月15日にもゼネストとデモがあったのだが、その後、東京大学教養学部の自治会に所属する学生など全学連主流派約8000人が国会の南通用門から構内へ突入、警察隊と衝突して東大文学部国史学科4年だった樺美智子が死んでいる。転倒に伴う圧死だと警察側は主張しているが、家族の希望で行われた解剖では目にひどい鬱血が認められ、膵臓の出血もひどかった。つまり、樺は首を強く絞められたうえ、倒れたところを激しく踏みつけられたことが示唆されている。

 そして17日に有名な「共同宣言」を東京の7新聞社、つまり朝日新聞、産業経済新聞、東京新聞、東京タイムズ、日本経済新聞、毎日新聞、読売新聞が掲載している。その宣言は、「6月15日夜の国会内外における流血事件は、その事のよってきたるゆえんを別として、議会主義を危機に陥れる痛恨時であった。」という一文で始まっている。政府の責任を不問に付すという宣言だったわけだ。

 支配層としても、こうした事態は避けたいはずで、運動が盛り上がる前に潰してしまいたいと考えているだろう。そこで監視システムの整備が急務になる。2001年9月11日に航空機がニューヨークの高層ビル突入、ペンタゴンが攻撃された事件を経てアメリカ政府は憲法の規定を機能停止させ、監視システムを強化している。

 勿論、アメリカ政府が国民を監視するようになったのは、「9/11」のはるか前、1950年代のことである。FBIが国民監視プロジェクトの「COINTELPRO」をスタートさせ、さらにCIAが67年に通信監視を目的とした「MHケイアス」を始めている。



 その後、コンピュータ技術が急速に進歩、そうした先端技術を使って個人情報の収集と分析、通信傍受、ターゲットの追跡を行うシステムが築かれてきた。

 通信の傍受はアメリカとイギリスの電子情報機関、つまりNSAとGCHQが中心になって実行されている。両者が公式に手を組んだのは1947年か48年だと言われている。「UKUSA(ユクザと発音)協定」が結ばれたことを受けてのことだ。イギリスのジャーナリスト、ダンカン・キャンベルによると、イギリス南部にあるコーンウォールのモーウェンストー基地で傍受が始ったのは1971年だという。(詳しくは拙著『テロ帝国アメリカは21世紀に耐えられない』を)

 勿論、情報機関や治安機関は通信を傍受しているだけではない。例えば、米国防総省のDARPA(国防高等研究計画局)が開発したTIAではあらゆる個人情報、つまり学歴、銀行口座の内容、ATMの利用記録、投薬記録、運転免許証のデータ、航空券の購入記録、住宅ローンの支払い内容、電子メールに関する記録、インターネットでアクセスしたサイトに関する記録、クレジット・カードの利用歴、電気やガスの使用状況などのデータを集め、分析することを目的にしていた。このプロジェクトが露見すると別の名前のシステムが稼働している。

 市民の権利を擁護する活動を続けているACLU(アメリカ市民自由連合)によると、シーズント社はスーパー・コンピュータを使い、膨大な量のデータを分析、「潜在的テロリスト」を見つけ出そうとしているともいう。つまり、どのような傾向の本を買い、借りるのか、どのようなタイプの音楽を聞くのか、どのような絵画を好むのか、どのようなドラマを見るのか、あるいは交友関係はどうなっているのかなどを調べ、分析しようというのだ。

 日本政府はこうしたアメリカの動きを追いかけているはず。例えば、不特定多数の個人情報を収集、分析、保管することのできるシステムに関する概説資料と研究報告の翻訳を法務総合研究所は1979年と80年に『研究部資料』として公表している。当時、駐米日本大使館に一等書記官として勤務していたのが原田明夫。そうしたシステムの中に東電も組み込まれている可能性がある。少なくとも、そうした方向で動いているはずだ。





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最終更新日  2011.09.21 18:49:33


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