《櫻井ジャーナル》

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2011.09.22
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 福島第一原発の事故によって空気、土地、そして海が放射性物質で汚され、多くの日本人が数年、あるいは数十年という年月をかけて殺されつつある。

 ところが、この期に及んでも原発の利権に目が眩み、核武装の幻影を追いかけている人たちがいる。政治家、官僚、大企業の経営者、学者、報道機関の社員など、一般にエリートだと見なされている人びとの中に,そんなタイプは多い。

 こうした人たちは、これまで原発の大事故は自分たちが現役の時には起こらないと高を括り、事故が起こったら誤魔化せると高を括り、誤魔化しきれなくなると放射性物質は危険でないという「神話」を作り上げて逃げ切ろうとしている。

 大本営の作戦参謀たちもそうだったように、今でも日本のエリートは状況を的確に判断できない。そうした現実を庶民が見抜いて「ノー」と言えば、どんな独裁者であろうと何もできないのだが、実際は愚かな支配者の言いなりになってきた。支配層に人心を操作する能力があるのか、あるいは日本の庶民が騙されやすいのか・・・。

 いや、騙された振りをしているのかもしれない。個人的な目前の利益を考えるならば、強者に立ち向かうのは損。ならば、騙された振りをして責任を回避しつつ、「お零れ」にあずかる方が得、と考えているのではないだろうか。

 中には、強者から無視されるような小規模なサークル内でおだをあげ、満足している人たちもいる。そういう人は、何らかの事情でサークルへの参加者が増えてくると排除にかかったりする。庶民の気づかないことに気づいている自分、という「エリート意識」に傷がつくと思う人もいるようだ。そんな気がする。

 ところで、原発は一部の人間に富を集中させる仕組みのひとつでもある。ミヒャエル・エンデは『ハーメルンの死の舞踏』で「ねずみ」と「金貨」をひねり出す怪物を登場させているが、原発とは放射性廃棄物とカネを生み出す怪物と言える。カネを欲しがる権力者たちは、人間に死をもたらすネズミを手放すことができない。

 富の独占を露骨に肯定しているのが新自由主義経済。フリードリッヒ・ハイエクやミルトン・フリードマンが考え出した「理論」で、「市場の自由競争」を絶対視、「私有化」や「規制緩和」を掲げている。実際にやっていることは、国境を越えて資金を動かし、資源を独占し、人びとを劣悪が条件でこき使うということ。

 国境を越え、規制などない状態で活動している企業を「多国籍企業」と名づけ、アメリカ議会が問題にした時期もある。1970年代はそうだった。今では活動形態に注目、「グローバル化」と呼ばれている。



 こうしたグローバル化に対する怒りは世界で高まり、1999年には激しい抗議活動が展開されている。WTO(世界貿易機関)の閣僚会議が開かれたシアトルには、抗議のために約10万人が集まった。

 この流れは2001年9月11日の出来事で断たれるが、ここに来て再び盛り上がっている。投機の尻ぬぐいをさせられようとしているギリシャだけでなく、最近ではアメリカの ウォール街でも抗議活動 が展開されている。 こうした運動をアメリカの有力新聞が大きく扱わない 理由は言うまでもないだろう。





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最終更新日  2011.09.23 03:52:15


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