《櫻井ジャーナル》

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2011.10.16
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カテゴリ: カテゴリ未分類
10月15日午後2時半頃、ニューヨークのラ・ガーディア・プレイスにあるシティバンクの支店で24名が逮捕されるという出来事があった

 その抗議活動に参加していた約20名が自分の銀行口座を解約しようと支店に訪れたところ、銀行側から立ち去るように求められたという。銀行側の主張によると、立ち去ろうとしなかったので警察を呼んだというのだが、 抗議活動に参加している人びとによると、立ち去ろうとしたら警備員に立ち去ることを拒否され、逮捕されたのだという。その際、全く関係のない顧客も逮捕されている

 銀行側の声明によると、警察に逮捕を依頼していないとしている。逮捕は警察側の判断だということだ。確かに、銀行の責任者に少しでも思考能力があるなら、顧客の逮捕が何をもたらすかは推測できる。この問題は銀行に大きなダメージを与える可能性を秘めている。タイム誌の行った調査では、ウォール街での抗議活動に肯定的な人は54%、否定的な人は23%。つまり、この問題が取り付け騒ぎの切っ掛けにならないとは限らないということだ。

 この運動は全米の各地に広がり、今では世界的な運動になりつつある。そうした中、イタリアのローマでは約10万人がデモに参加したようだが、そのうち 覆面をした数百名が投石や自動車への放火など暴力的な行為に走った と伝えられている。抗議活動が乗っ取られたと言う人もいる。

 こうした暴力的な集団がイタリアに現れたことは興味深い。支配層にとって都合の悪い状況になると、こうした集団がイタリアでは現れるのである。

 アメリカとイギリスの情報機関/破壊工作部隊は第2次世界大戦後、NATO加盟国に秘密部隊を創設している。ソ連軍に占領されたときにレジスタンスを行う残置部隊だとも言われているが、実際のところは米英の支配層にとって都合の悪い人物や組織を潰すことにあった。中でも活発に活動していたのがイタリアのグラディオだ。(詳しくは拙著『テロ帝国アメリカは21世紀に耐えられない』を参照)



 こうした極秘作戦が発覚する切っ掛けを作ったのは森で遊んでいた子ども。1972年2月にイタリア北東部の森で子どもが偶然、秘密の武器庫を発見したのである。その1週間後にはカラビニエッリと呼ばれる準軍事警察の捜査官が近くで別の武器庫を見つけているのだが、そこにはC4と呼ばれるプラスチック爆弾もあった。

 武器庫が発見された翌月、カラビニエッリの捜査官3名が捜査中に爆死している。その2日後に匿名の電話が警察にあり、「赤い旅団の犯行だ」と告げたのだが、この「過激派」はアメリカとイタリアの情報機関に乗っ取られていた可能性が高いと今では考えられている。

 赤い旅団が設立されたのは1969年のこと。トレント大学の学生が作った左翼グループで、当初は比較的穏健で理想主義的な集団だった。そうした体質が大きく変化したのが1974年。創設メンバーのレナト・クルチオとアルベルト・フランチェスキーニが逮捕され、ふたりに替わってマリオ・モレッティが組織を率いるようになってからだ。テロリズムに系統していったのである。

 1978年3月、赤い旅団を有名にした事件が起こった。5名の護衛を伴い、自動車で移動中のアルド・モロ元首相を6名のグループが襲撃して誘拐、殺害したのである。襲撃の際に発砲したのは2名で、いずれもサブ・マシンガンを使用していた。ひとりは49発、もうひとりは22発を発射している。

 襲撃グループは5名の護衛全員を射殺しているが、ターゲットのモロは無傷のまま連れ去っている。犯人グループにも負傷者は出ていない。襲撃計画は完璧で、特殊部隊を彷彿とさせる手口だった。学生にできることではない。

 グラディオの存在が公的に認められたのは1990年10月のこと。ジュリオ・アンドレオッチ首相が「いわゆる『パラレルSID』グラディオ事件」というタイトルの報告書を公表したのである。湾岸戦争もあり、日本ではほとんど知られていないようだが、大変の事実が明らかになっていたのだ。ちなみにSIDとは国防情報局のことで、SISMIの前身である。その後、ギリシア、オランダ、ルクセンブルグ、ノルウェー、トルコ、スペインなどで政府の要職に就いていた人びとが「NATOの秘密部隊」が存在したことを認めている。なお、緊張戦略に参加していたと言われている人物がひとり、日本に「亡命」している。





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最終更新日  2011.10.17 01:23:42


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