《櫻井ジャーナル》

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2011.10.17
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 アフガニスタン、イラク、イラン、シリア、リビア・・・南アジアから北アフリカに欠けての地域に戦乱が広がっている。言うまでもなく、そのきっかけを作ったのはアメリカ政府にほかならない。

 戦乱によって戦争ビジネスが儲かることは言うまでもないが、イスラム世界の破壊と混乱はイスラエルの戦略にも合致した。そして石油利権。戦争ビジネス、イスラエル、そして石油(資源)が戦争への道を歩ませた大きな原動力だと言えるだろう。

 ちなみに、ジョージ・W・ブッシュ政権は、親イスラエル派の「新保守(ネオコン)」が1990年代に公表した提言に添う形で動いている。その中にはサダム・フセインの排除も含まれていた。この提言をした人びとがブッシュ・ジュニア政権の要職に就いていたことを考えると、当然のことなのだが。

 勿論、アメリカの支配層も一枚岩ではなく、特にイラクに関しては1980年代からアメリカ内部で激しい対立があった。イラクを湾岸産油国の防波堤と考える勢力とサダム・フセインを排除すべきだと考える勢力だ。

 前者はアメリカのエスタブリッシュメントを背景にする「旧保守」だったのに対し、後者はイスラエルの軍事強硬派と深く結びついた新保守。この対立が「イラクゲート事件」を表面化させることになる。

 より細かい話をすると、「親イスラエル派」といっても現実世界でイスラエルと結びついている新保守に対し、宗教的な考え、つまりハルマゲドンでの最終戦争を望んでいるキリスト教系カルト(原理主義者、あるいは聖書根本派とも呼ばれている)とは最終的な目的が違う。イスラエル国内では、ボリス・エリツィン政権の崩壊で国外へ脱出したロシアの大富豪や旧ソ連圏からの移民が暴走、イスラエルの世界的な孤立を招いている。

 少なくとも20世紀が終わるまで、アメリカ支配層の主流派は「旧保守」だった。その構図がある出来事を切っ掛けにして壊れ、「新保守」が主導権を握ることになる。その出来事が起こったのは2001年9月11日。ニューヨークの世界貿易センターにそびえ立っていた超高層ビルに航空機が突入、国防総省の本部も攻撃されるという出来事が起こったのである。

 ジョージ・W・ブッシュ政権は調査もせず、すぐに「アル・カイダ」を実行犯だと断定し、そのアル・カイダを匿っているとしてアフガニスタンに先制攻撃を仕掛けたのだ。アメリカ国内では憲法が機能を停止、ファシズム化が進んだ。

 それはともかく、このアフガニスタン攻撃は石油資本にとっても悪い話ではなかったはずである。1991年にソ連が消滅したあと、欧米の巨大石油企業はカスピ海周辺の石油利権を手に入れる計画だったのだが、途中で思惑通りに進まなくなったのだ。



 ところが、このパイプライン建設でタリバン政権はアルゼンチンのブリダスを選んでしまう。1996年のことだ。この合意があった翌月、パキスタンの外務大臣がカブールを訪問してUNOCALの要求を飲むように求めるが、アフガニスタン側からは明確な返答がなかったという。

 ブッシュ・ジュニアが大統領に就任した年に引き起こされた世界貿易センターとペンタゴンへの攻撃はアフガニスタン攻撃を正当化する恰好な口実になった。そして新保守/イスラエルが望んでいたイラク攻撃へ突き進むことになる。(続く)





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最終更新日  2011.10.18 01:06:56


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