《櫻井ジャーナル》

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2011.11.30
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 庶民が路頭に迷うことなど微塵も気にしていない支配層は、自分たちの利益にはきわめて敏感である。2007年から09年までの経済危機で破綻した巨大銀行を助けるためでも、あらゆる手段でも講じた。 ブルームバーグが情報公開法で入手した資料によると、アメリカの連邦準備銀行は2009年3月の時点で7兆7700億ドルの資金を投入

 アメリカで連邦準備制度が成立したのは1913年12月のことである。この制度を作ることになた原因は1907年の恐慌にあり、恐慌の切っ掛けはチャールズ・バーニーなる人物の自殺だったとされている。

 バーニーはフレデリック・ハインツと共同で中堅の銀行、ニッカー・ボッカー信託を経営していた。ふたりは銅の生産で大きな影響力を持っていたユナイテッド・コパー社の株式を買い占め、1907年10月14日に株価は62ドルまで高騰したのだが、2日後には15ドルまで暴落してしまう。銅業界を支配していたロックフェラーが大量の銅を市場へ放出して銅相場を下げたことが原因だった。

 この「仕手戦」で敗北したハインツが所有していたニューヨークのマーカンタイル・ナショナル銀行は破綻、ニッカー・ボッカー信託が連鎖倒産するのではないかという話をメディアが報道、市場はパニック状態になってしまう。

 ニッカー・ボッカー信託は手形交換所協会に助けを求めるのだが、その協会を支配していたのがジョン・ピアポント・モルガンだった。モルガンはニッカー・ボッカーの会計検査を要求、そのうえで支援を拒否している。この決定で倒産の連鎖が始まった。その後、バーニーは自殺して株式相場は崩壊した。

 翌年、セオドア・ルーズベルト大統領は国家通貨委員会を設立、委員長にネルソン・オルドリッチ上院議員を選んだが、この人物はジョン・ロックフェラー・ジュニアの義理の父であり、モルガンと緊密な関係にあった。

 オルドリッチはジキル島にあるモルガンの別荘に巨大金融機関の代表を集めて秘密の会議を開き、連邦準備制度の青写真を作り上げていった。言うまでもなく、アルドリッチはモルガンやロックフェラーにとって都合の良いシステムを作る。当時から現在に至るまでこの点は批判され続けている。

 モルガンとロックフェラーが中心になって作り上げた金融システムの下では、当然のことながら、銀行はやりたい放題。現在と同じように富は一部に集中し、その貯まった資金は投機に使われた。そのひとつの結果が1929年の株式相場暴落。



 金融システムが揺らぐ中、ウェルズ・ファーゴがワチョビアという金融機関を吸収している。ワチョビアは麻薬資金をロンダリングしていた銀行。 2006年にメキシコの国際空港で航空機の中からコカインが発見された のだが、その際に発見された書類を元にした2年近くに及ぶ捜査の結果、ワチョビアのロンダリングが発覚したのである。実は、2006年にワチョビアではロンダリングに関する内部告発があったのだが、経営者は無視していた。

UNODC(国連薬物犯罪事務所)によると 、2008年に麻薬取引による利益、3520億ドルの大半が経済システムの中に吸い込まれ、いくつかの銀行を倒産から救った疑いがあるという。麻薬取引による利益は年間6000億ドル、金融機関でロンダリングされている資金の総額は1兆5000億ドルに達するという。

 ラテン・アメリカでもそうだったが、ギリシャでも怪しげな借金を国民は押しつけられている。財政破綻のお膳立てをしたのがゴールドマン・サックスだったというだけではなく、正当とは認めがたい負債があるようなのだ。だからこそ、ギリシャの庶民は怒っている。

 巨大金融機関は博奕、麻薬、高利貸しで儲けている。国家機関に守られた犯罪組織と呼ばれるのは当然だと言えるだろう。いずれにしろ、ツケは庶民に回されてきた。なぜ占拠運動でウォール街がターゲットになったのか、言うまでもないだろう。





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最終更新日  2011.11.30 22:34:09


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