《櫻井ジャーナル》

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2014.12.26
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 中国で外国為替取引を担当している外滙交易中心によると、 中国は12月29日にマレーシア通貨のリンギット、ロシアのルーブル、そしてニュージーランド・ドルと通貨スワップ協定

 ロシアの主要な輸出品である石油の相場が今年7月から下がりはじめ、10月から急落、11月下旬から1ドル当たりのルーブルが急上昇(ルーブル安)する中での決定だ。西側からは中国に対し、アメリカに逆らうなという恫喝があったようだが、ロシアや中国に脅しは効果的でない。アメリカ支配層の覇権戦略は破綻している。

 アメリカの支配層、特にネオコン/シオニストが暴走を始めたのは1991年のことである。1980年代半ばに石油価格が急落、86年にはチェルノブイリ原発で事故が起こったこともあり、ソ連は1991年に消滅、アメリカは「唯一の超大国」になったと彼らは認識、潜在的なライバルを押さえ込もうとした。

ウェズリー・クラーク元欧州連合軍最高司令官によると 、この頃、ポール・ウォルフォウィッツ国防次官はシリア、イラン、イラクを含む地域を「掃除」すると語っているが、 その翌年にウォルフォウィッツを中心とするグループが国防総省の内部でDPG(国防計画指針)の草案を作成 、アメリカの覇権を確かなものにしようとした。この草案は「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」とも呼ばれている。

 この草案は外部にリークされて書き直されたというが、そのビジョンはビル・クリントン時代にも消えず、2000年にPNACの「米国防の再構築」として復活した。2001年から大統領を務めたジョージ・W・ブッシュの政策はこのビジョンに基づいている。アメリカが軍事侵略を本格化させるのは2001年9月11日以降だが、その準備は遙か前からできていた。

 就任当初のブッシュ・ジュニア大統領は「中国脅威論」を振りかざしていた。この主張は国防総省のONA室長、アンドリュー・マーシャルに吹き込まれたようだ。マーシャルはシカゴ大学で経済学を学んだ人物で、元々は軍事戦略の専門家ではない。1949年に国防総省系の「ランド・コーポレーション」に入って核戦争について研究、リチャード・ニクソンが大統領だった73年にONAが創設されると室長に就任している。当時は「ソ連脅威論」を売りにしていた。



 21世紀に入るとロシアでアメリカ支配層を震撼させる出来事が起こる。自分たちの傀儡だったボリス・エリツィンをウラジミル・プーチンが排除、ロシアを独立の道へ導いたのだ。1917年3月にロシアではロマノフ朝が倒されたが、この革命で成立した臨時革命政府は産業資本家が主導権を握っていた。臨時革命政府に反対する勢力からは「イギリスの傀儡」と言われていた。

 この三月革命(二月革命とも言う)当時、ウラジミール・レーニンやレフ・トロツキーといったボルシェビキの幹部は亡命中か、刑務所に入れられていた。イギリス政府は特にレーニンとトロツキーが亡命先から帰国することを嫌っていたようだが、ドイツの助けを借りてレーニンやトロツキーは帰国する。7月にボルシェビキは武装デモを行うが失敗するが、8月にクーデター騒動でトロツキーの影響力が強まり、11月の革命につながった。プーチンの登場はこのパターンに似ている。

 アメリカが東アジアで嫌っていることは中国と日本の接近、ヨーロッパで嫌っていることはロシアとドイツの接近だろう。すでに中国とロシアは手を組んでいるわけで、日本とドイツが加わるとアメリカの支配システムは崩壊する。

 ただ、そのドイツで首相を務めているアンゲラ・メルケルはロシア嫌いで有名。アメリカの忠実な僕だと見なされている。母親がポーランド人で、本人は東ベルリンで育ったという経歴が関係しているようだ。

 そうした政権ではあるが、閣僚の内部にもロシアを威嚇し、ドイツどころかヨーロッパ全域を破滅させかねない政策に反発する声も出てきた。同じ傾向はフランスに見られる。アメリカ(ネオコン)のやり過ぎがドイツとロシアを接近させることにも。





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最終更新日  2014.12.27 03:16:59


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