《櫻井ジャーナル》

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2021.02.03
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カテゴリ: カテゴリ未分類

 韓国の国防省が2月2日に公表した2020年版の国防白書は、日本に対して「協力していかなければならない隣国」と表現、「パートナー(同伴者)」とは記述しなかった。ユーラシア大陸を制圧するための拠点と橋頭堡である日本と韓国の関係が好転したいことにアメリカを支配する私的権力は不愉快に感じているだろう。

 そうした指摘権力の影響下にあるイェンス・ストルテンベルグNATO事務総長は2020年6月、NATO2030なるプロジェクトを始めると宣言した。NATOの活動範囲を太平洋へ広げ、オーストラリア、ニュージーランド、韓国、そして日本をメンバーにするというのだ。

 本ブログでは繰り返し説明してきたが、日本は明治維新以来、アングロ・サクソンの影響下にある。地政学の父と呼ばれている地理学者のハルフォード・マッキンダーは1904年に発表した論文の中で、ユーラシア大陸の沿岸を支配し、内陸部を締め上げて最終的にはロシアを制圧するというプランを示していた。彼はイギリスの支配グループの所属、そのグループのプランをまとめと考えられる。

 イギリスが薩摩や長州を中心とする勢力に肩入れして「明治維新」と呼ばれるクーデターを成功させ、明治政府に対して技術や資金を提供したのは、侵略の手先を育てることが目的だったのだろう。薩長政権は1872年に琉球を併合、74年に台湾に派兵、75年には江華島事件で朝鮮王朝に揺さぶりをかけ、94年から95年にかけては清(中国)と戦争、マッキンダーが論文を発表した1904年にはロシアと戦争を始めた。

 明治維新以降、日本を支配してきた勢力の背後にはアングロ・サクソンが存在、日本人を大陸侵略の手先に提供することで彼らの地位と富は保障されてきた。侵略を受け入れさせるため、日本では東アジアを貶める「反アジア教育」が徹底され、その影響は現在も残っている。

 日露戦争後、1917年11月にロシアで十月革命を経て社会主義の看板を掲げるソ連が誕生すると、日本はイギリス、アメリカ、フランスと共同で軍事介入した。1922年に日本軍は略奪物資を携えて帰国するが、1941年7月の関東軍特種演習までソ連侵略の意思は持ち続けている。

 その後、日本軍は石油を求めて東南アジアへ向かい、ハワイの真珠湾を1941年12月7日午前8時(UTC7日18時)に、またマレーシア北端の港町コタバルを12月8日午前1時(UTC7日17時)にそれぞれ奇襲攻撃してイギリスやアメリカと戦争を始めた。それでも日本の一部支配層はアメリカの金融資本や石油資本と関係を維持している。

 日本とウォール街との関係を象徴する人物がジョセフ・グルーだということは繰り返し書いてきた。1932年から駐日アメリカ大使に就任、松岡洋右、松平恒雄、徳川家達、秩父宮雍仁、近衛文麿、樺山愛輔、吉田茂、牧野伸顕、幣原喜重郎、岸信介らと親しく、皇室にも太いパイプを持っていた。1945年に日本は降伏するが、戦後日本のあり方を決めたジャパン・ロビーの中枢にはグルーがいた。

 日本列島、南西諸島、台湾をつなぐ弧で大陸を封鎖、朝鮮半島に橋頭堡を築くという戦略をアングロ・サクソンは明治時代から現在に至るまで維持している。アメリカは韓国が自立することを阻止するつもりだろう。

 アメリカは2018年5月に太平洋軍をインド・太平洋軍へ名称を変更、この海域を統括して支配しようとしている。太平洋側の拠点を日本、インド洋側の拠点をインド、そしてインドネシアで両海域をつなごうという構想。イギリスの植民地だったインドにはそれなりの支配システムをアングロ・サクソンは持っているだろう。問題はインドネシア。ここでは数十年にわたり、イスラム教徒をワッハーブ派へ改宗させる工作が続けられている。アメリカはワッハーブ派をミャンマーのヤカイン州、フィリピンのミンダナオ島、中国西部の新疆ウイグル自治区へも送り込んできた。

 ロシアや中国との関係を強めてきたタイでアメリカの手先になっているのはチナワット家を中心とする勢力。2014年にクーデターで倒されたインラック・チナワットやその兄のタクシン・チナワットはその一族だ。この一族はブッシュ一族と深く結びつき、ジョージ・H・W・ブッシュが幹部のひとりだった巨大ファンドのカーライル・グループとも関係が深いとされている。アメリカ軍が属国の軍隊を引き連れて2003年3月にイラクを先制攻撃した際、タクシンは軍部や国民の意思に背いてイラクへ派兵している。






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最終更新日  2021.02.03 03:54:57


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