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2025/02/03

テーマ：社交ダンス(9447)

カテゴリ：アニメのはなし

美大を目指す高校生の物語なんですが、幾つもの言葉が心に残って２回続けて見ました。

美術の佐伯先生がサラっといいこと言うんですよ。

『美術は文字じゃない言語』

『作った本人が好きで、楽しんで、情熱を込めたものは、見た人も楽しくなっちゃうものなんです。』

これってダンスにも音楽にも、たぶん芸術全般に当てはまるんじゃないかと思いました。

主人公の矢口八虎（やぐちヤトラ）は高校２年生で、仲間たちとスポーツバーで徹夜したり、タバコ吸ったり、ちょっと不良っぽいところもありますが、勉強は手を抜かない優等生でした。

美術の授業で描いた早朝の青い渋谷がきっかけで絵に興味を持ち、美術部に入ることになります。

絵はど素人だったヤトラ、美術部の森先輩の描く天使の絵にまず圧倒されるんですね。

絵は選ばれた人間だけが使える魔法みたいなものだと勝手に思っていたヤトラに、先輩はこんなふうに言います。

『才能なんてないよ。絵のこと考えてる時間が他の人より多いだけ。絵もやり方とかあって、勉強することがたくさんある。手放しで才能とか言われると、何もやってないって言われてるみたい。』

ヤトラも不良だけど成績がいいのは、天才だからじゃなくてそれなりに努力しているからだったので、自分も頑張れば絵が描ける人になるんじゃないかと言う希望を持つんです。

将来の不安はありました。絵で生活していけるのか、親を説得できるのか。

美大って、医学、薬学、歯学の次にお金がかかるそうです。

ここでまた、美術の佐伯先生がいいこと言うんですよ。

『好きなことは趣味でいいは、大人の発想。
頑張れない子は好きなことがない子。
好きなことに人生の一番大きなウエイトを置くって普通のことじゃないでしょうか。

好きなことをする努力家は、最強なんです。』

ピカソは画商の好みで肖像画を描くようなスーパー営業マンだったそうです。

有名な画家でお金に頓着のない人は少ない、まあそうかもしれません。

美大は合格率が低いので浪人生がたくさんいるんです。

現役合格を目指す夜間生に天才がいました。

美術部に入って結構上達したヤトラは、自分がただの人なんだなと思い知ります。

『オレは天才じゃない。やった分しか上手くなれない。
天才と見分けがつかなくなるまでやればいい。』

友達もまた、いいこと言うんです。

『人は神と自分とを比べられないから、無意識に彼を切り離して賞賛していた。
悔しいと思うなら、まだ戦えるわ。』

自分は絵を見るのが大好きなんですが、描くことは諦めていたのでテクニックの磨き方についても気になりました。

美大受験のための予備校でヤトラが指導されたことです。講師の大葉先生や友人たちが、またいいこと言うんですよ。競技ダンスにも通じることばっかり。

１　絵づくり
見たままを描くのではなく、自分の好きを見つける。
ただ模写しても上澄みをすくっただけの絵に見える。

『芸術は食べられない食べ物と思う。好き嫌いがあるのは当たり前。高い料理が口に合うとは限らない。』

思わず競技ダンスの審判が頭に浮かびましたよ。

２　名画に共通なのは構図がいいこと
大きな流れがある、テーマに適している、主役に目がいく、隅々まで目が行く。
見たままを書いているようで実はすごく計算されている。

『いい絵は作者の意図が明快に出ている。
売れる、売れない、受かる、受からないはあっても、芸術に失敗は存在しない。
評価されるものは、幾つも強みがある。』

ダンスで自分の強みって何でしょうね。

３　画材の実験
いい絵は白黒にしても綺麗。同じぼかしにしても、指、筆、ガーゼなどで表情が変わる。

『評価されている絵と自分を比較しすぎるのは危険。自分の最高の絵を目指すこと。』

誰が出場していようと、競技ダンスでも目指すのは自己ベストです。

４　対応力
課題に対していつも何を考えるか。出題者の意図や、苦手の克服など、相手がどう評価するかという空気を読むようなことではなく、自分勝手に楽しむことが必要。

『自信満々で楽しんでいるあいつの方が魅力的に見える。』

得意なもので武装する。課題は自分の好きなように噛み砕いていい。

競技フロアで踊るのは自分なので、先生や競技仲間に言われたことは自分の中で消化して、好きなコスチュームとルーチンで武装しましょう。