つまずく石も縁の端くれ

つまずく石も縁の端くれ

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2008年01月28日
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カテゴリ: アート
ようやく、書院に到着。外靴をビニール袋に入れて、書院に入室。

レリーフ.jpg
↑書院の入り口の透かし彫り。

表書院では、芸大で眺めた応挙の鶴や虎、七賢人の襖絵と再会。
なるほどこんな風に嵌まっていたのかと納得する。じっくりと
眺めたいのだが、同行者はどんどん先に進むし、他のお客もど
んどん続いて、混雑しているので、立ち止まる余裕もなし。

それでも、上段之間では、一瞬、人だかりが途絶えて、「瀑布古
松図」をゆっくりと眺めることができた。しゃがんで視線を落
とすと、岩に砕けた瀧の波濤が目前に迫ってくるようだ。


ように計算されて、配置されているのだ。応挙はこの書院では
なく、京都でこの絵を描いたそうなのだが、その構成力の凄さ
にあらためて感服した。

邨田丹陵の富士の間を眺めて、奥書院に向かおうとすると、
すでに書院を見終わって出口に向かう同行者と行き違う。「えっ、
まだ、ここ~」と言う仲間を笑顔で見送り、若冲の花丸図の前
に到着。ここからは人だかりでなかなか先に進まない。前の方
でボランティアの方が、ていねいに解説しているせいだろう。

岸岱の描いた春の間や菖蒲の間の絵は、若冲の絵が劣化したた
めに、新たに描き直されたものだそうだ。群蝶図など、芸大で
見たときよりも、美しくきらびやかに感じた。(芸大での展示は


同行者のことはすっかり忘れていたのだが、柳の間に入ったと
ころで携帯が鳴ったので、廊下まで戻る。同行者から「皆、高
橋由一館にいるので、早く来い」と急かされた。

「飲まず食わずで奥の院まで往復した彼らの頭の中には、昼の
ビールのことしかないのだろう」などと考えてしまい、幹事の


白書院は、田窪恭治というはじめて知るアーティストの椿の障
壁画。荒々しくも力強いタッチで、椿の赤い花と緑の葉が描か
れる。現在進行中の書院である。後に高橋由一館の方に伺った
のであるが、現在の金刀比羅宮の宮司と高校時代の同級生だっ
た関係で、白書院の障壁画を描くようになったそうだ。

「象頭山社頭並大祭行列図屏風」も興味深かったのだが、ざっと
眺めて、書院を出る。そこで若冲ツバメの看板を発見。「えっ?
若冲ツバメ?どこにあったかなぁ?」。ここで、肝心要の若冲の
「飛燕図断片」をすっかり見逃してしまったことに気づいた。
先ほど携帯で呼び出された柳の間にあったのだ。この旅行の唯一
の悔いである。

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最終更新日  2008年02月01日 05時24分30秒
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