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読書が趣味となってから海外文学ばかり読んでいるが、理由は「非現実の世界に浸ることができるから」である。
非現実と言うのは、ファンタジーや
SF
などのことを指している訳ではない。
私が考える非現実とは、私は日本人だから海外のものを、私は現代に生きているから古典を、という意味での非現実である。
だから、翻訳も図書館の所蔵の中で一番古い出版年度の本を選ぶ。
なるだけ当時に近い言葉で読みたいから。
もちろん昔の日本の小説を読むこともある。
好きな作家は何人かいて、非常におもしろかった。
だけど、日本人の私が日本人作家の小説を読んでも感性の広がりには限度があると思えてならない。
あ、こういう感じ方もあるんだな、これは日本人には理解し難い感覚だな、そういう相容れないと思われるようなことを知って感じてこそ、感性は深く広くなってゆくのではなかろうか。
時代においてもそうで、例えば “ スマホ ” なんて言葉が文中に出てきた日にゃあ、夢もへったくれもなくすぐさま現実に引き戻されてそれはもう非現実ではなくなる訳で、著しく気分が萎えるので、馬車とか電報とか、あるいは戦争とか貧困とか、何かそういう想像力がどこまでも膨らむ世界を好む。
これは映画においても同じことであり、モノクロ映画などは心ワクワクする。
この非現実を求める考えだけはずっと変わらない。
これが醍醐味であり、今の生活の中での唯一の楽しみだ。
が、もっとずっと歳を重ね、年輪が今よりも二重にも三重にも肥えてどっしりとした頃、間違いなく帰結する場所は日本だろうということもちゃんとわかっている。
だって私は日本人だもの。
さあれども、今はまだ世界を旅していたい。
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