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サイド自由欄
<当ブログは、極上生徒会とARIAを全力で応援しています>
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1年前に作ったものをリメイク開始します。
少し、サガ・フロンティア2のオマージュ入れたいなと思っています。
サガフロ2は名作ですからね。大好きでしたよ。
ストーリーも大河ドラマ風で。
というわけで、デモーニオ終了後、連載開始。
第1話 堕ちる闇 明ける未来
第2話 目覚め×サイン
第3話 接触
第4話 クロチェヴィーア
第5話 進展
第6話 救い
第7話 残滓
第8話 加速
第9話 意思
第10話 最後の夢
第11話 始まり
第12話 デモーニオ
第13話 真実
光が支配した世界、悠久の刻が流れる。
過去、現在、未来永劫続くはずだった世界。あまたの足音に壊されていく。
長い回廊を駆け抜ける初老の男と若い女性。
背後からは、2人を追う騎士達が迫る。次第に、距離が縮まっていく。
「《10号》、《6号》、姫をお守りしろ!!」
『『了解』』
初老の男の声に、男と女の軽装の騎士が目の前に現れる。
追ってくる騎士たちの前に立ちはだかると、身軽な動きで剣を《流した》。
初老の男は、女性の手を引き、息も絶え絶えに小型の飛行艇に逃げ込んだ。
若い女性、姫を座席に座らせシートベルトをさせると額の汗を拭う間もなく飛行艇の操縦席に座り離陸の準備を始める。
回廊で2人を守った男女とさらに数人も飛行艇に到着した。
それを確認した初老の男はエンジンをかけ、飛行艇は飛び立った。
「これで……よかったのですね」
姫の心の中で惜別の念と、束縛から解き放たれた喜びが反発しあっていた。
「姫様は、このまま、ここで暮らすほうがよかったですか?」初老の男が問う。
言葉に詰まりながら「……いいえ。ここから出た方が良かったのだと思います」姫は答えた。
もう追っ手は来ない。この日のために、綿密に計画していた。
他の飛行艇は、細工がしてあり、しばらく飛ぶことは出来ない。
砲撃も、飛行艇の飛ぶ高さまでは届かない。
全てから逃げ出したのだ。もう自由なのだ。
安全圏に抜け出した飛行艇は、滑らかに雲を切り取って行った。
これは、世界の末端で起きた、たった一つの出来事。
ただそれだけに過ぎなかった。
そう過ぎなかったのだ。
誰も時代に亀裂をいれたなどと予想しえるものはいなかったのだ……。
この日、世界の果てで起きた、小さな波紋により、世界は大きく揺らぎだしていた……。
▲
「へ、陛下! お気持ちは分かりますが、赤子がおりますゆえ、埃まみれの甲冑はどうかお脱ぎくだされ!」
「分かっておる!」
煌びやかに飾られた廊下をシュタイン王は足早に歩いていた。
戦から戻ってきたばかりで、たいそうな甲冑を身につけ、重い音を鳴らしながら進んでいた。土埃がついているのを見て、大臣が脱ぐように促している。
甲冑を脱ぎ忘れるほど、シュタインにとって、今日は大事な、特別な日になったのだ。
待ち焦がれていた、長子の誕生である。さらに、男と聞いたからには、心は自然に浮き立つ。大事な世継ぎの誕生なのだ。
甲冑を外し、大臣に全て渡すと一つの部屋の前で立ち止まった。
一呼吸置き、
「ただいま戻ったぞ! ミリアと赤子はどうなっておる!」
勢いよくミリア寝室の扉を開ける。やはり足早に入っていく。今にも顔が綻んでしまいそうである。
部屋の中では、助産婦たちがミリア候女の脇に群がっていた。それを確認し、シュタインは近づいていく。
「お、王様、こちらがご子息に在られます」
助産婦でも一番年の行った女性が赤子を抱きながら近寄ってきた。
赤子は、小さな手をギュッと握り、まだ開かない小さな目がとても愛しかった。厳ついシュタインの顔も思わず綻ぶ。先ほどまで人を殺したいた武人にはとても見えなかった。
しかし、次の瞬間、シュタインの顔は悪魔でも見たかのように恐怖に慄いていた。
「こ、これは何だ! 貴様ら、余をおちょくっているのか!?」
「いいえ、決してそのようなことはございません!」
赤子を抱くシュタインの手が震え、汚らわしいものを持っているような手つきに変わる。
シュタインの態度を見て、助産婦たちが次々と頭を下げ始める。祝福の場が、異様な光景に変わりつつあった。
「あなた……」
ベッドの上から、ミリアが声を出した。生んだばかりで、疲弊しているようだったが、自分が言わなくてはならないと起き上がる。
だが、聞く耳を持たぬほどに、シュタインは怒り狂っていた。
「黙れミリア! これはどういうことだと聞いている!」
赤子を物の様に突き出す。
産着が肌蹴、赤子の左腕にミミズが這ったような黒い痣が見えた。
「そ、それは……」
今にも憤怒しそうなのを抑え、シュタインは赤ん坊を助産婦に返すと踵を返した。もはや、こんなところにいる気は無かった。期待を裏切られた失望感が敗戦のようにのしかかっていた。
「それは、余の子ではない! その赤子の左腕にある痣は、我が国に不幸を呼ぶものだ!」
「そんな……あなた! あんまりでございます!」
ミリアはベッドから出る。立ち上がり、シュタインに近寄ろうとするが、足元が覚束ず、助産婦達に支えられた。
「……出て行け」
矢の如き鋭い言葉が放たれる。
「そ、そんな……」
背中越しの冷徹さをミリアは感じ取った。
そこに、かつての温もりは抱かれてはいなかった。
「出て行け! もう二度と顔を見せるな! 赤子と一緒に出て行け! 最低限の暮らしは保障してやる。だが、二度と王宮に近づくな! その赤子は、王族にはいらぬ!」
ミリアの方を一切振り向くことなく、シュタインは部屋を出て行った。
重い甲冑を持たされ、のろのろとようやく現れた大臣が、表情を見て問う。
「い、如何なされました? お顔が険しいですぞ? 赤子はどうされました?」
「……赤子など、生まれていない」
その言葉に、大臣は怪訝な表情を見せた。
シュタインは、それ以外のことを大臣に話すことは無く、来たときとは別の意味で足早に去った。あまりの速さに、巻き起こされた風で廊下の蝋燭が徐々に消えていく。
16年前の出来事であった――
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「それは、余の子供ではない!」
「お前は、親友だよな?」
「王国の軍隊?! どうして、こんな田舎に?」
「亡くなられた……」
「帰れない渡り鳥さ」
「力を貸してください」
「シィスと言います。僕は、誰かを探しているんです」
「ただの着せ替え人形が!」
「あの山を越えるなどとは、あまりにも無茶です! 」
「崩れ落ちたんだよ。俺の思い出と一緒に」
「宝物庫の奥に、これが眠っていた。……これは何だ?」
「今の王は醜いものだ。奇麗事を並べれば、民が納得してくれると思っている」
「夕愁は義の国でございます」
「因果ほど、恐ろしいものはない……」
「あそこに見えるのが、因果の大地だ」
「どうして、骨肉の争いをせねばならなかったんだ!」
「その力は、善か悪か分かりません」
「あなたは分かっていない! あの方は――」
「おいおい、噂にゃ聞いていたが、これが竜って奴かぁ?!」
「アレは遺物に過ぎません」
「終わったなんて言葉で、片付けて欲しくない」
「お前ラ、どうして裏切ッタ?」
「聞こえが悪いですね。殺しじゃありません。天誅です」
「姫は、どこにいる?」
「ま、マジかよ……。亜人ばかりだぜ」
「どうすれば、あそこへいける!」
「我々は、お前らの敵でも味方でもない。ゆえに、中立の鉄槌を下す!」
「天空の門と呼ばれる由縁だ」
「全ては、揺らぎから生じた矛盾!」
「10号! 剣を納めてくれ!」
「迷刀の威力を味わえ!」
「翻弄されても、踊る気は無いぜ!」
「やっと……思い出せました。僕たちの役目を」
「必ず、どこかにいるはずだ! 探し出し、殺せ!」
「ここのいるのが、その証明だろ?」
「まさか、追っていたのはお前だったとは……」
「ガハハハハハハ! 気に入ったぞ餓鬼! この獅子王の牙、砕けるまで付き合ってやる!」
「ウッ――痣が、痣が焼けるように痛む」
「あなたは、刃の切っ先のように鋭いですね」
「べ、別にあんたを助けるつもりは無いんだからね! これも、魔法のためなんだから!」
「組織が全総力を持って、あたなを殺しに来ます」
「超えてみろ! 我が引いた死線を!」
「このような形で、再会したくはありませんでした」
「それが、血の罪か」
「地獄が地の底にあると誰が決めた? 見せてやる。これが地獄だ!」
「もう神などと呼ばれるものはいらないのです!」
「そなたの為ならば、助力を尽くそう」
「我々の神を冒涜する気か!」
「私たちは、本当に正義なのでしょうか?」
「わが国では、英雄のことをサムライといいます」
「俺にゃ、ちとでかすぎる話だが、一生の思い出にゃなるな」
「裏切ったつもりはない。主は、あのお方だけだ」
「見えるのですね、アレが」
「……死ぬのって……カッコ悪いぜ……」
「あなたのような骨董品では、私には勝てませんよ!」
「背負った宿命は世界よりも重いぞ」
「俺らが一生懸命に持ち上げてるんだ。何があっても、振り返るな!」
「俺が化けモンなら、勝てるよな!?」
「義を果たせねば、死ねぬのだ!!」
「昔など関係ありません。兄上は、兄上です!」
「だったら、最後まで、血の一滴まで、肉の一欠けらまで足掻いてやる!」
「どうやら、我々の理論を理解していただけないようですね」
「語りましょう、因果の大地に起きた出来事を」
「まだ、再生の始まりに過ぎませんよ」
※連載開始はデモーにオ終了後、随時アップ予定
時のアルマ 善き魔女編 第6話 目撃者(… 2009.12.29
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