Fastest Lap

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December 31, 2006
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Strikes Back!!「このテーマに参加させていただくにあたり、さんざん悩みました・・・投稿されてる皆さん結構色々なワインをお召し上がりになられているようですから、こんな一般的なものしかピックアップできない自分が恥ずかしいのですが、僕の場合はちょっと趣向を変えて選出してみました。まず『これだっ!』と思う1本がどうしても選べませんでした・・・。今年出会った全てのワインがその時々で素晴らしい出会いを提供してくれましたので、心情的に甲乙つけるのは無理かな・・・と思いますのでセパージュごとに区切りベストだった2本を決定し、そこから最終的なランキングをやろうかなと思っています。来年は1年に試飲したワイン全部をランキングにしようかな・・・などと考えています」

「赤ワインはカベルネ・ソーヴィニョン(6割以上のブレンド含む)、ピノ・ノワール、サンジョヴェーゼとズィンファンデル、黒ブドウを4種以上使用するワインの5部門です。白ワインはあまり飲みませんのでシャルドネだけで選出しようかと思ったのですが長くなりそうな予感もありますし、ピノ・グリージョやトレッビアーノ、ソーヴィニョン・ブランなんかでもクォリティの高いワインがありますので差をつけることはせず、潔く白は削除することに致しました。また、シャルドネ以外は現在ストックが無いワインが多く写真でお見せできないので次の機会に回したいと思います。同様の理由からネッビオーロ・ベースのピエモンテ産赤ワインも今回は対象外としました」

Strikes Back!!「まずは赤ワインのメイジャー、カベルネ・ソーヴィニョンから・・・」

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Strikes Back!!「カベルネの選出が最も難しかったですね・・・最終的に選出されたのはBONDのVECINA(カリフォルニア)とBRANCAIAのILATRAIA(トスカーナ)ですが、同じくBONDのMELBURYやSt.EDEN(いずれも2001年)も抜群で、これらは別格でした。この3本の前ではサッシカイアもシャトー・マルゴーも霞んでしまいました。いずれも濃密なカカオの香りや、エスプレッソというよりは濃いマッキャートのようなカフェのニュアンスがあって、これこそ保守本流。ワイン先進国のセレブリティが好む典型的カベルネのようなお手本。最近のフランス・ボルドーのシャトー物はタンニン抽出や色素抽出に力を入れすぎていてフィニッシュのバランスがドタバタしていてフィネスを持っているワインは激減しています。少なくともソフィスティケートされた味わいには程遠いものです。これは造り手がジャーナリスト受けするワインを造ろうとしていることと無縁ではありませんが、そこまでしたいのならカリフォルニアやイタリア・トスカーナの少量生産のガレージ・ワイナリーのように葡萄の収量を極端なぐらいに制限して生理学的に完熟した葡萄しか使わないとか、一杯一杯まで最後の一滴までプレスせずにフリーランだけで仕込むなどの努力をせねばなりません。ぎりぎりまで絞って、そこにヴァン・ド・プレスを足しているので若い時の味わい、特に抜栓直後の味わいは堅く貧弱なものさえあります。残念ながらとても価格に見合っているとは思えません。開けてから然るべき時間が経過しないとワインの味わいが開いてこないのはエキス分が少ないためで、カリフォルニアやイタリアの少量生産のワインの造り手たちはフリーランだけを使って贅沢にワインを造る方々が多いので、開けた直後から甘い果実の香りが立ち上がります。つまりコレはスタイルの好き好きですから飲む側の独断と偏見によるものですが、今年飲んだメドックのグラン・クリュのワインで特筆すべきワインはありませんでした」

Strikes Back!!「今年も5大シャトーはがんがん飲みましたがどれもチグハグな印象が拭えません。もっともまともだったのはシャトー・ラトゥールの93年でしょうか・・・それ以外は果実味とタンニン、アルコールのバランスが悪く、ボディはあってもエレガントとは言えない、香りは強くても決してゴージャスではなく、リコルクして再度試飲したりしても泣かず飛ばずで、どうしてこんな造り方をするようになってしまったのでしょうか?」

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Strikes Back!!「1本ウン万円するムートンよりも前出のブランカイア『イラトライア』の方が良いと思いますし、カベルネ・ソーヴィニョンではなく、カベルネ・フランがベースとなるワインですがトスカーナの『テヌータ・ディ・トリノーロ』がリリースする『クーポレ』の方がすぐに楽しめます。アンドレアのプロデュースする『テヌータ・ディ・トリノーロ』はメチャクチャ高くなってしまったのがとっても残念ではあります。しかしながら、このワインの3万円は納得できますが、5大シャトーに3万円は不相応な気がします」

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Strikes Back「続いてピノ。ピノもたくさん候補はありました。例えばアンヌ・グロのリッシュブール、ヴォギュエのレ・ザムルース等など・・・しかし、今年最も鮮烈だったのはこの2本。残念ながら右側のロキオリはオークション・ワインで60本しかリリースされてません。このボトルは35本目なので丁度中ほどにボトリングされたもので最高のコンディションでした。左側のハーシュ・ヴィンヤードもピノを供給するブドウ畑としては高名ですがオリジナルは日本ではあまり見ることができないのが残念です。この2本はDRCやアンヌ・グロも真っ青になるほどの御婦人でした。続いて、かなりグラマラスなメルローです」

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Strikes Back!!「メルローはフランスの固有品種です。因みに、僕は黒葡萄というのはとっても御婦人に共通する部分を数多く備えているように思います。中でもメルローは特に御婦人的な品種ではないか?と思っています。気候風土が変わっても、変わる部分と決して変わらぬ部分の双方を持っていて、イタリアから発信されたルネッサンス的な色彩を持っています。この葡萄(メルロー)でどんなワインが造れるのか?それが新たなワイン産地の可能性を試す試金石となっていることは間違いありません。僕がメルローから感じるイメージは、しっかりしていて知性もあるのだけれど、たおやかで豪奢すぎない華を持っている・・・そんな印象を受けます。これに加えグラマラスであれば申し分ないと思います。イメージ的には叶姉妹の美香さんなんか近いかもしれません。お姉様のほうはゴージャスな感じで、筋が通り過ぎて棘のように感じる部分がありそうなのでカベルネ・ソーヴィニョンの方が近似しているかもしれません。ただ、僕のカベルネのイメージはまず芯があって、揺るがぬ信念みたいなものがありながらもゴージャスでソフィスティケートされてる感じなので天海祐希さんとか、竹内結子さんなんかのイメージが近いですね・・・。ピノはチャーミングで優しい印象が強く、これからどんな風に変わっていくのだろう?と興味をかきたてる感じですので押切もえさんあたりのイメージかな?サンジョヴェーゼは二面性を持つ危うく際どい難しさのようなものがある反面、未知の可能性を秘めている感じがしますので柴咲コウさんから蛯原友里さんまで若干幅があり、複雑にしろ単調にしろ個性の強いキャラを持っていると思います」

Epson「このイタリアン・メルロー2本はそのイメージに近かったのですか?」

Strikes Back!!「サルバトーレ・フェラガモがオーナーを務めボッロ村で造られるIl Borroは間違いなくメルローのイメージに近いと思います。とてもグラマラスですが洗練されていて嫌味な感じではなく華があります。さすが御婦人を知り尽くしているフェラガモ家のワインであると思いますね。一方、パーカー100点を獲得したキャリアを持つREDIGAFFIも素晴らしいワインですが、メルローの良い部分を最大限に引き出し、ネガを極力抑えたというエノロゴのテクニックという部分でIl Borroに軍配です」

Epson「いよいよサンジョヴェーゼです」

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Strikes Back!!「僕が選ぶとサンジョヴェーゼはほとんどの場合、このFLACCIANELLOはランクインします。決して高いワインではありませんが、サンジョヴェーゼ100%という部分を見た場合、サンジョヴェーゼに良いイメージを持っていない方が払う金額の価格帯にあるワインではありません。このフォントディのフラッチャネロはサンジョヴェーゼ100%のスーパー・タスカンとして背負ってきた歴史が他のぽっと出のワインたちとは違います。サンジョヴェーゼ種を使うことで広く知られているキアンティでさえも100%ではありません。フラッチャネロが背負ってきた歴史と伝統・・・そして心意気から比べるといかなブランカイアのトップ・レンジと言っても評価的には厳しくなります。サンジョヴェーゼ以外にもカベルネ、メルローがブレンドされていますから・・・しかし、ワイン単体で見た味わいで判断するとかなり微妙だと思います。例えば、あくまでも僕の個人的な好みですがシャトー・ラトゥールの93年よりはイル・ブルーを選ぶでしょう。すなわち、これらはあくまでも主観的な好みの問題ということですが・・・ちなみに、撮影に使ったフラッチャネロはマグナム1998年ですが、今年飲んだのは2003年ヴィンテージです」

Ray Brig「4種以上のセパージュ・ワインのエントリーは?」

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Strikes Back!!「カリフォルニアの『ケイン・ファイヴ』1998年とニューズィーランドの『ストニーリッヂ・ラ・ローズ』2000年で、どちらも写真左側のワインです。この手のブレンド・ワインはメドックのワインが最も有名ですが僕はこの2本を敢えて推します。特にニューズィーランドの『ストニーリッヂ・ラ・ローズ』はブラインドでテイスティングしたらニューワールドのワインとは誰も思わないでしょう。ニューズィーランド産のワインとして有名でお値段も馬鹿には出来ないプロヴィダンスと価格的には同等クラスです。若干、プロヴィダンスの方が高いでしょうか・・・・まァ、毎年何本試飲してるか解りませんから記憶の片隅にすぐに追いやられてしまうものもありますが、ここにピック・アップしたワイン以外にも素晴らしいワインはたくさんありました。」

Ray Brig「次回はいよいよランキングです」

P.S.年内にランキングを掲載する予定ですが、体調を見ながらやりますので明けてしまったらごめんなさい。

本年は大変お世話になりました。皆様良いお年を・・・






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Last updated  December 31, 2006 02:41:54 PM
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