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第二五巻　癩王のテラス/LONG AFTER LOVE

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大正３年、竹久夢二は日本橋呉服町に「港屋絵草子店」を開店、

夢二は私生活でも恋多き人だったようで、画面には港屋の店先に立つ妻・岸たまきと
窓辺に佇む夢二の写真。

美「（階段脇に掲げられた図を指して）これがね、大天才・竹久夢二の系図ですよね…
（『次男　茂二郎（もじろう　夢二）』の枠から
『妻　岸たまき』『恋人　笠井彦乃』『恋人　佐々木カ子ヨ（お葉）』の枠に向かって
三本線が引かれています）茂二郎さんが夢二さん…」
国「茂二郎っていう名前だったんですね」

で、恋人で…不幸なね…」
国「恋人？」
美「不幸なね…お葉さん…（隣の展示に移動して）ちょっとこっちに写真があります…」
国「恋人も博物館に展示されちゃってるんですか？！」
美「そうですよ」
国「ええー！？」

明治４０年、夢二は岸たまきと結婚、二年後に離婚しながらも、
別居と同居を繰り返して３人の子供が誕生。

離婚の原因となったのが、恋人・笠井彦乃で、夢二と京都で同棲を始めるも
結核を患い２３歳で逝去。

次に現れたのが秋田美人のお葉で「黒船屋」のモデルとなるも

国「（展示を指して）『モデルをしていた』って書いてありますよ」
美「そうそう、モデルさん…」
国「（少しなまって）秋田生まれだあ☆」
美「（同じくなまって）そう。秋田生まれだあ☆」
国「秋田美人だあ☆」

こったら美人が出てきたら、あんたクラクラっとするで☆」
江「あはは☆」

常に理想の女性を追い求めた夢二の詩

「恋は得ぬ
　されど　すべてを
　失ひぬ」

苦悩と悲哀に満ちていたという夢二の人生。
一行は館内の椅子に座り、夢二の孫にあたる竹久みなみさんにお話を伺います。

国「夢二さんは…生きている頃っていうのは…」
竹久さん「あの…（昭和）８年生まれで…夢二が亡くなったのは９年なんです。
それで、ほんの僅かな間ですけれど、父が私を連れて店に行ったんですって。そしたら
『お祖父さんになりたくない』って夢二は言ったそうです☆」
美「お洒落ね☆」
国「お洒落ですね☆」

竹「家には、夢二のものがたくさんありました。でも私は二十歳頃までは
はっきり夢二というものを把握していないので、色んなものが家にあるのに
分かっていなかったんです」
国「あることは知っていたんですか？そういう『色んなものがあるなー』…」

竹「あることは知ってました、いじってました、遊んでました」
国「遊んでたんですか！」
竹「はい…着せ替え人形なんか作りましたよ、夢二の、
（展示作品を指して）あの中から…引き抜いて…」

美「まあ贅沢☆…わあ…」
国「本当に着せ替え人形ですね、それ…」
竹「知らなかったんですもの☆」
国「だから出来たんですよね☆」
美「知らぬが仏っていうこと☆」

夢二は昭和９年、４９歳の若さで結核で逝去。最期の言葉は「ありがとう」だったとのこと。
美「ねえ、夢二さん今、ここいら辺をうろうろしてない？」
江「夢二さんね、私も『うろうろしてるかな？』と思ってさっきから見てるんですけど
意外とそうでもなくて…」
美「何処にもいないのよね」

江「でね、ちょっと聴こえてくるのがね、とにかくやっぱり女性が好きだったみたいですね」
竹「あ、そうですか…」
江「要するに『女性そのものが好き』だから、だから愛をもって描けたのかもしれないですね、
女性を…」

竹「素晴らしい人が歩くと、後ろをついて描いて…ついて行った…」
国「そんな話もあるんですか？」
竹「ありますよ」
国「へえ…」

江「変な意味じゃなくて、本当にその…女性が好きなんですよ。
女性の身のこなしとかもそうだし…」
竹「着てる物とか…」
江「そう…」
国「変な意味じゃなくて女性好きっていいですね、何か…☆」

生涯に渡って女性の美しさを表現し、晩年の昭和８年には「水竹居」という傑作として結実。
日常生活を彩る叙情的な作品は美輪さんお奨めの心のビタミンだそうです。

読んでいただいてありがとうございました。
次回の放送は、５月３０日（土）夜７時から。楽しみですね。

「オーラの泉の日記」