幻想的に青白く光る夜光虫は大量のプランクトン。なぜ光るのかは分かっていないらしい。
試しにすくってみてもほとんど何も見えない。確かにあったはずの光が、確かめようとすると消えてしまう不思議さ、悲しさ。
世界の万物はメタファーだと、村上春樹はいう。
そう、すべてはメタファーで構成されているのだと気づかされる「海辺のカフカ」。
メタファーは暗喩。
メタファーの本質は、ある事柄を他の事柄を通して理解し、経験することである。 「概念メタファー説(レイコフ/ジョンソン 渡部他訳 1986: 3)」
日常の営みのあらゆるところにメタファーは浸透している。
われわれが普段、ものを考えたり行動したりする際に基づいている概念体系の本質は、根本的にメタファーによって成り立っている。「人間の概念体系が本質的にメタファーである」という。
一つの概念でものを語ればそれは即ちメタファーである。
様々な分野であるモノの代わりに置き換えることで、分かりやすくする手段としても使われる。
視覚的な置き換えをすることで機能的な説明の代わりをするのもメタファー。
運命によって置き換えられた人間は、その存在そのものがメタファーなのだ、と彼、村上春樹は「海辺のカフカ」で言っているのだろう。
一つの事件は当事者にとっての問題以外に、何か他の目的や意味合いをもって起こっている事であり、必然を含んだ偶然の産物であると。
「人が運命を選ぶのではなく、運命が人を選ぶ」と言っていることからも分るように、運命に身を委ねてしか生きられないとも言っているようだ。
夜は、見えない世界の中にすべてを内包して、メタファーという概念とともに存在している?
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