ちょっと慌てていた夕暮れ時。片側2車線の広い道路を、靴下を履いたまま鼻緒のあるぞうりを突っ掛けて小走りに渡っていた。
夕日に見とれて足元が疎かだった。センターラインを跨ごうとしたその刹那、あろうことか発光用のブロックに蹴躓いて、すってんころりん、無残な姿に突っ伏してそのまま右へ一回転。
車の往来は少ない道路なので、幸い対向車も来ず大事には至らなかった。
慌ててぞうりを突っ掛け直し、道路を渡り切って見てみると、履いていたトレパンは破れ、手と膝がひどくすりむけている。
投かんしようと右手に持っていたいた手紙も一応は無事だった。
この年になってこんな派手に道路の真ん中でひっくり返るなんて、その事がショックでちょっと恥ずかしい。
転んだ瞬間は誰かに見られただろう。”あまりに夕日が美しかったので”なんて言い訳にもならん。
けど、この頃の日没の特徴で直ぐに暗くなり、闇にまぎれてどうにか手紙を投かんし、びっこ引き引き帰ってきた。
そう、躓いてでんぐり返るなんて久し振りの体験だ。あちこち痛いが、何だか新鮮な気分がしないでもない。この先もうこんなことはないだろう。年寄りがヘタに転ぶと骨折する恐れがある。転ぶわけにはいかないのだ。
アラ還での最後の体験として、よ~く記憶にとどめておくとしよう。
おお痛!!
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