黒潮流れる表日本の乾いた街を、雪国の使者のごとく屋根にたっぷりの雪を積んだままのトラックが走っていきました。
近年にない大雪に見舞われた雪国。一晩に1.6m以上も積もるなんて、太平洋側に住む人々には想像を絶する世界です。
そう遠くはない雪国からやって来たトラックは、雪を下ろす間もなく走り続けてきたんですね。
トラックによる陸運は日本の北と南、裏と表を行き来する輸送の要。この人たちのおかげで私たちは1日2日で荷物が届くような有りがたい環境にいられます。
若いころヒッチハイクをやって、随分トラックにはお世話になりました。みなさん本当に心やさしい方ばかりです。
手を上げると「どうした?」と、何か困ったことが有るのか、という思いで止まってくれるんです。「乗せてほしいんです」と言えば、当時(1970年ごろ)ほぼ100%の方が乗せてくれました。
だんだん世の中世知辛くなって、会社も何かあった場合に問題になるというので、他人を乗せるなというような風潮に変わって来ました。
それでもトラックの運ちゃんは、相互扶助の精神が根底にあるのか、相変わらず親切な人が多いように思います。
運転席に孤独な中にも束縛されない自由を友にして、厳しい 自己責任 を抱えながら男のロマンを生きているトラック野郎。人のせいにできない生き方の中に身を置いている彼らが、優しくないはずがありません。
「自分のことしか考えない」精神が蔓延している世にあって、自主独立と相互扶助精神が成り立っている世界なんて今どきそうは有りません。
ドライブインで見かけたら観察してみてください。
長距離運転という厳しい仕事をこなしているはずの彼らは、何故かみんなやさしい眼をしていますから。
「日歌」が千首を超えたのを機に、 「游歌」 とタイトルを変えて、2009年2月中旬より再スタートすることにしました。
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