これはまさに老化現象なのだろう。近い記憶ほど薄く遠い過去の記憶が鮮明なために、その時間の長さが圧縮されて脳に刻まれているのだろう。
往年の出来事が話題になれば、年号を西暦に置き換えて計算してみる。俵万智の「サラダ記念日」が出てからもう四半世紀近くが経つという。とてもこの時間の経過が信じれれない。
25年前の自分を考えてみる。今の年から25を引くと38歳と出る。子供はまだ2歳と6歳の頃だ。あの頃はまだ短歌に興味は無かったが、その一世を風靡した「新しい短歌」に、時代が大きく変わっている事を感じたのも確かだ。
♪ ミステリー列車はさらに速度上げ夢と未練を振り落としゆき
その俵万智は、原作・脚本・主演・演出を一貫して一人でこなす「一人芝居」を、今も続けている。2003年にシングルのまま母となり、ずっとその生活の中で生まれる歌を詠い続けている。
去年の大震災時には仙台に両親と共に住んでいたが、原発の爆発で放射線から子供を守るため、その場を脱出することになる。たまたま春休みに西へ行こうと思い立ち、チケット売り場で聞けば那覇便なら取れるという。それで沖縄へ。
そのまま沖縄に棲みつく事になり、「世界でたった一人の私」ではなく「世界のどこにでもいる私」のことばで短歌を詠って行きたいという。
日常の中の小さなドラマや心の揺れを掬いあげながら、母と子二人の日常を短歌で「一人芝居」の台本を書きつづけている。
老化して惚けが来る前に、その生きている間に起こる悲喜こもごもを、歌に残してゆく事の意味は大きいと思う。その残された歌を読めば、その時何を感じ何を考えていたかが良く分かる。
自分史を書くよりも余程意義深いものだとも思う。
5年日記も今年いっぱいで満了となる。信じられないほどの、あっという間の5年間だ。
♪ 吾死して残すべきものあるとせばみそひともじの書にしかめやも
◆2006年5月8日よりスタートした「日歌」が千首を超えたのを機に、「游歌」とタイトルを変えて、2009年2月中旬より再スタートしました。◆2011年1月2日からは、楽歌「TNK31」と改題してスタートすることにしました。
★ 「ジグソーパズル」 自作短歌百選(2006年5月~2009年2月)
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