梅雨の晴れ間を狙って、久し振りに親方の顔を見に行こうと4キロ先の隣町までウォーキングに出かけた。
親方は、本業の建築業は70を過ぎてリタイアして1年、どうしているかと思っていたが生憎の不在。少し前に行った時も不在だったので、もうその作業場にはいないのかも知れない。
ラジオが点けっ放しなのは、泥棒除けのためでいつもの事。軽トラもあり、如何にもちょっとだけ留守していて直ぐに戻って来そうな雰囲気だが、どうもそうではないらしい。
オカトラノオ
仕方がないのでそのまま先へウォーキングを続けることにする。周りは山に囲まれた閑静なところで、ウグイスが澄んだ美しい声を聞かせてくれる。それが、ちょっと鳴き方に訛りがあるようで変な鳴き方をする。
”ホー・ホケキョ”の後にもう一節つく独特の鳴き方で、ちょっと笑える鳴き声に”オイオイ”と突っ込みたくなった。
♪ あしびきの山のみどりに鶯の声しんしんと沁み込みゆきぬ
雌のヤマドリらしき鳥も、飛び去っていくところを初めて見た。雄とは違って地味な色で、尾も長くは無くずんぐりした体形だ。キジとも違うしコジュケイとも違うので間違いはなさそうだ。
雄は長い尾をもち、ヤマドリとくれば例の「柿本人麿」の歌、「あしびきの山鳥の尾のしだり尾の長々し夜を独りかも寝む」を思い出す。
左が雌 右が雄(こんなのに山で出会ったらドキドキだろうね)
来る途中から腹が減ってしょうがなかった。何か欲しいとこらだがコンビニまでは遠い。それではと、もう人の手が入っていないミカン畑に入って物色してみることに。
案の定、幾つかの木の一本の手の届かないところに数個の実が残っているのを発見。枝を引っ張って何とかゲットして食べてみる。皮が厚くて実が少ないながら甘くて美味い。どうやら「ハッサク」のようで、充分食べられて味も申し分ないものだ。
2個食べたが実が少ないので喰い足らず別の木を探してみると、どうやら夏ミカンらしきものが高い場所に3つ4つなっている。これもゲットして食べてみる。適度な酸味があってジューシーで、結構いけるしろものだった。
どれも売り物にはなりそうも無いものだが、木そのものは良質の品種のようで手入れをすれば立派なものが採れるのだろう。ここも例に漏れず、後継者もなく離農が進んでいるのだろう。
荒れ果てたミカン畑が、侘しそうに静まりかえっている様子は何だか物悲しい。
人気のない里山のミカン畑でこっそりと盗み食いしている吾は、まるで山猿になったような気分だった。
♪ 久方の光の中に猿となり時の流れに身を浮かべをり
◆2006年5月8日よりスタートした「日歌」が千首を超えたのを機に、「游歌」とタイトルを変えて、2009年2月中旬より再スタートしました。◆2011年1月2日からは、楽歌「TNK31」と改題してスタートすることにしました。
★ 「ジグソーパズル」 自作短歌百選(2006年5月~2009年2月)
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