世界遺産の内の文化遺産の中には、時の王族や権力者がその国の民を非人道的な扱いをして造営させた権力を象徴するものも多い。
この古代都市シーギリヤ(スリランカ)は、紀元5世紀、父王を殺して即位したカッサパ王が自らを神と称して、南北約180m、東西約100m、高さ約200mの岩山の山頂に「天上の宮殿」を築いたもの。
弟の復讐に遭って自死するまでの17年間、この巨岩の上にその類い稀な空間の楽園を刻みつけた。階段状に庭園が配され、貯水池と宮殿が造られた。
「岩上の宮殿」 どう見たって狂気の沙汰としか思えない。
権力者は、その力の象徴と防衛のためにどうしても「城」が必要だ。
築山・城壁を築くよりは確かに手っ取り早いことはよく分かるが・・・。
岩山の北側に高さ数十mの獅子を象った城門が築かれたが、現在はレンガ製の足先が残るのみだそうだ。
西側中腹の窪みにはスリランカ美術の白眉である気品あふれる天女像「シーギリヤ・レディー」が、500体近く描かれていたという。
入口付近 階段状の庭園
壁画 入口
麓の市街地には人工池を配した「水の庭園」など、傑出した造園技術が見られる古代庭園があったらしい。
創意工夫に満ちたスリランカ芸術の宝庫シーギリヤだったが、王の自害によりわずか11年で打ち捨てられ、その後、12~13世紀まで寺院として使われいたといふ。
権力にまかせてとんでもないものを造ったことが、後の世の遺産となってその国の為になっているというのは皮肉なことだ。
絶大な権力者がいた国ほど、結果的には文化遺産が多く残っているという事実。古代の歴史は権力者の為にあり、権力者のみによって創られるということでもある。
◆2006年5月8日よりスタートした「日歌」が千首を超えたのを機に、「游歌」と
タイトルを変えて、2009年2月中旬より再スタートしました。
◆2011年1月2日からは、楽歌「TNK31」と改題してスタートすることにしました。
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