新学期、不登校の子には、学校に行けるかどうか試練の時です。
昨年度、ある中学生の娘さんが、不登校になりました。
困り果てたお母さんが、ある方から、穂波の郷のことを聞き
相談に来られました。
ちょうど、ドクターネットの講演会がある時期でした。
ソーシャルワーカーは
講演会の会場に飾る花や、オブジェの材料採りの
企画を作り、チームで野山に出かけることになりました。
それには、そのお母さんと、娘さんが参加します。
さらに、その学校の養護の先生も同行しました。
一連の活動の中で、何よりお母さんが癒されたと言います。
そして、学校に来たのです。
そこで、養護の先生から、科学寅に依頼が来ます。
遅れている勉強を看てやって欲しいと。
そこから、彼女とのご縁が始まります。
学校の中だけでは、足りなく
クリニックの中の緩和ケアセンターの一室でも
勉強は継続されました。
ある日、彼女が、友だちを連れて、クリニックに来ました。
私は、当初、彼女を支える友だちだと思い
歓迎をしたのですが、
実は、その友だちも、不登校だったのです。
ソーシャルワーカーが、嗅ぎつけ、
これまた手を打ちます。
後で聞かされたのですが、
ご家庭では、悩んだおばあちゃんが
孫と「一緒に死のう 」とまで言わせた状況だったのだそうです。
最初の不登校の子は、実は、友だちをずっとケアしていたのです。
クリニックで癒されてから、
クリニックの人を癒す姿勢を吸収し続け
いつの間にか、ケアする立場に回っていたのです。
そして、新学期、
後から来たご家庭では、もし学校に行けたら
穂波の郷に花束を持って行こうと、
決めていたのだそうです。
そして、昨日、おばあちゃんと二人でお礼に来られたのです。
その喜びの輪は、クリニックのスタッフ、そして患者さんたち全体に広がっています。
今日も夕方、彼女は、ケアセンターに来て、
雑用のボランティアをしていきました。
そこで、ある友だちと仲直りしたいのだということをつぶやきます。
早速、仲直り企画プロジェクト、
「一緒に友だちのミュージカル公演を応援に行こう、そしておいしいピザを食べよう」
が始動しています。
でも、何も、すべてがうまくいっているわけではありません。
昨年、中学校に行けるようになっって、高校にも合格したはずの子が、
お母さんと一緒に、沈んだ顔で、朝、クリニックに来られました。
お腹が痛いのだそうです。
もちろん、この緩和ケアセンター及び、ソーシャルワーカーが万能ではありません。
人々を無理矢理、行動をさせることはできません。
環境をグイグイと変えることもできません。
しかし、1%でも可能性がある限り、
あらゆる人の輪の力で、生命力の根源に働き続けることは、
そのクリニック 「医療法人 心の郷」の理念なのです。
1.医療法人「心の郷」は、あきらめない、つながる、在宅を支えるを
行動指針として、緩和ケアの実現に努める。
2.医療法人「心の郷」は、緩和ケアのプロセスを共有することによって
共感の絆を育むことに務める。
3.医療法人「心の郷」は、生命と関わるすべての縁を大切にし、
生命が育まれた心の故郷を尊重する。
4.医療法人「心の郷」は、コミュニティケアとケアの文化の創造を通じて
地域に貢献する。
以上の理念を愚直に実行していく限り
さらに、ますます共感の輪を創りだしていき
素敵な素敵なドラマの可能性を広げていくと確信します。
教育現場に欲しいのは、評論家的なカウンセラーの限界を超える
家庭環境・家族関係、社会関係、ご縁づくりまで踏み込む
ソーシャルワーカーではないでしょうか?
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